はてなは11月4日、都内で記者会見を開き、ソーシャルブックマークサービス「はてなブックマーク」の新バージョン「はてはブックマーク2」を初披露した。
はてなブックマーク2では、これまでのはてなブックマークに見られた課題が改善された。従来版では、過去のブックマークを見つけにくい、古めかしいユーザーインターフェース、注目されるのが技術的な話題に偏りよりがち--など諸問題があったが、新版ではそれらの点をクリアするための施策が設けられている。
リニューアル計画が明らかになった当初、CNET Japanでは、はてなCTOではてなブックマークのディレクションを担当する伊藤直也氏にインタビューし、はてなブックマークのリニューアルが2008年夏にも実施されると報じた。これが秋にまでずれ込んだのは、多くの改善点を盛り込んだためだという。なかでも今回のリニューアルの目玉は3点、「検索」「お気に入り」「インターフェース」だ。
まず検索機能は、はてなブックマークで見かけた記事を再発見できるようにする機能だ。はてなブックマークに登録されたすべてのウェブページの内容を検索でき、自分で登録したウェブページに関しては自ら登録したコメントの内容までインクリメンタル検索が可能となった。画面遷移することなく、過去の記事を検索キーワードを入力余流でも情報を絞り込める。
これまでのはてなブックマークは、膨大な情報が蓄積されながら、それらを再利用するのが困難だった。この課題をクリアするために設けられた機能といえる。
「はてなブックマークに気になったページをどんどん放り込んでおくだけですべての記事を簡単に見つけ出すことができるようになった。とりあえずはてなブックマークに放り込んでおけば、簡単に検索できる」と伊藤氏は述べ、「これで定番のブックマークツールとして使っていただけると思う」と自信を見せた。
また、これまであまり使われていなかった「お気に入り」機能も拡充され、自分が注目している人、自分を注目している人を見つけやすくなった。従来、自分をお気に入りに登録していた人のIDは明かされていなかったが、今回のリニューアルを期に、把握できるようになった。お気に入り機能は、伊藤氏がはてなブックマークのなかで重視している機能の1つ。自分のお気に入りのユーザーがブックマークしているかどうかで、情報をフィルタリングできるようになっている。
デザイン面では、伊藤氏が「いままでに比べると洗練されてる」と述べるとおり、トップページの色変更、各ページのブックマークに寄せられたコメントの表示/非表示機能などが加わり、より目的の情報にたどりつきやすくなった。
ブックマークのカテゴリも細分化され、「生活・人生」「ゲーム・アニメ」などが新たに加わった。これまではてなブックマークは、技術系の話題に偏る傾向のあったが、カテゴリを細分化することで、話題の分散化、それに伴うユーザー数の増加を期待しているという。
伊藤氏は、米国の代表的なソーシャルブックマークサービス「Digg」もオープン当初は登録されるブックマークの7割が技術系の話だったが、その後、さまざまなカテゴリを設けたことで、ブックマークの分野も広がっていったという例を紹介した。
はてなブックマークに寄せられるコメントにネガティブな印象のものが見られるため、サイトオーナーへの心理的負担が大きいとの声もあるが、それについてもコメント表示/非表示の切り替えによって改善が施されている。ただ、はてなにユーザー登録をしていないゲストユーザーはいまだに対処法がない。こうしたサービスの社会性に関わる部分は2009年以降に残された課題だという。
今後はミクシィが運営するソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「mixi」内の友人である「マイミクシィ」や、一言ブログ「Twitter」で発言を追いかけている人のブックマークなどもチェックできるようにするなどの機能を計画しているという。
はてなブックマークの新版は現在一部ユーザーにアルファ版が公開されている。11月25日までに既存のサービスと入れ替えられ、すべてのインターネットユーザーに公開される予定だ。
今後実装が検討されている新機能には下記のようなものがある。
検索を強化したことで、検索結果に表示される連動型広告のPVも収益化できる見通しだ。「検索連動型広告を収益につなげる。広告が増えるのではないかと心配されていたが、数は変わっていない。広告を増やすと収益はあがるが、見た目、雰囲気的に良くないためだ」(伊藤氏)
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