読売新聞東京本社は、1874年(明治7年)から最新分までの新聞記事をオンラインで公開する。過去の紙面イメージや近年の記事本文、人物データベースなどを提供する。開始時期は2009年1月末から2月初旬となる見込みで、利用料金は月額2万7300円から。
内容は1874年から1989年までの読売新聞の紙面イメージのほか、1986年からの読売新聞の記事本文、1989年からの英字新聞「The Daily Yomiuri」の記事本文、現代キーパーソン約2万6000人の人物データベース。
同社はこれまでCD-ROMやDVDで紙面データベース「明治・大正・昭和の読売新聞」を販売してきたほか、オンラインで記事本文が検索できる「ヨミダス文書館」を提供してきた。今回発表されたオンラインデータベース「ヨミダス歴史館」はこの2つを合わせたサービスとなる。
紙面イメージはAdobe Flash Player 9を利用して表示する。閲覧、印刷は可能だが、データのダウンロードはできない仕組みだ。「月額課金制を採用していることもあり、データがダウンロードされてしまえば読売新聞社が持つすべての財産が保有されてしまうことになる。財産保護の観点から、ダウンロードはできないようにした」(読売新聞社)
過去の記事のうち、冤罪(えんざい)事件の報道などについては注釈を入れるなど、人権については配慮しているとのこと。また、現在では認められていない差別表現については、すべての記事見出しから削っているという。
三省堂、集英社と提携し、国語、英和、和英辞書や時事用語集が調べられる機能も搭載している。
料金は端末特定型の場合、月額2万7300円。同時アクセス数制御型の場合は、同時アクセス数1つで同3万7800円。「決して安くはない価格」(同社)と認めており、大学や図書館、官庁、企業などに売り込んでいく考え。個人でも契約可能だ。
新聞社が過去の記事をオンラインでも見られるようにするというのは、世界的な流れだ。例えば米国のNew York Times紙はサイト「NYTimes.com」において、1987年以降の記事に加え、著作権が切れた1851年から1922年までの記事を無料で公開している。読売新聞社は、こういった流れは注視しているとしたものの、過去記事の無料公開については「現在のところ予定していない」とした。
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