米国時間9月8日、United Airlinesの株価が75%急落した。
事件は、南フロリダに拠点を置く投資家向けニュースサービス会社Income Securities AdvisorsがGoogle NewsでChicago Tribuneの2002年の記事を見つけたことに始まる。同記事はその日のニュースダイジェストに載り、これをBloombergが配信した。それは、事実でない限り当然ボツになるべき内容の記事だった。その内容というのはUnited Airlinesが破産を申請したというものだった。これは、昨今の航空業界の状況を考えるとあながち否定できない内容だ。とりわけ、United Airlinesは2006年に破産から更正したばかりだった。
United Airlinesがこのニュースを否定する声明を発表するまで、同社の株価は5日の終値12.30ドルから急落、最終的には10.92ドルまで戻したが、一時、75%下落し3ドルになった。Chicago Tribuneの親会社であるTribune Co.は、これ以上の混乱を回避するため、オンライン・アーカイブから6年前の記事を削除する事態となった。だが、United Airlineの株を扱うNASDAQは、この不幸な出来事により発生した取引を取り消さないことを決めている。
Income Securities Advisorsがのちに説明したところでは、同記事はGoogle Newsで破産関連の記事を検索していた際に表示されたもので、日付はなかったという。しかし、同記事にたどり着いた経緯を述べた複数の説明は必ずしもつじつまが合っていない。
Tribune Co.は、事実上、責任は、人手ではなくボットとアルゴリズムで見出しを仕分けているGoogleの自動ニュース検索の方法にあるとしている。また、Chicago Tribuneは、9日、(Income Securities Advisorsが)ニュースを検索すると通常は最新ニュースが占める位置に6年前の記事が「目立つように現れた」と報じている。Googleがのちに説明したところによると、これはやはりTribune Co.傘下の新聞であるOrlando Sun-Sentinelのウェブサイト上で最も読まれた記事のリストに入ったからだという。同記事へのトラフィックが増えたためボットに影響したこと、また同記事が掲載されたのが月曜日だったということもあるという。
Bloombergは、提携先のサードパーティから配信されるニュースの信憑性を検証していないことを認めている。Chicago Tribuneは今回の事件について、株価操作が仕組まれていた証拠は見つかっていないとしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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