Mozillaが米国時間9月3日、次期バージョンの「Firefox」がGoogleの新しいウェブブラウザ「Google Chrome」を速度で上回るという性能テストの結果を発表し、Googleに反撃した。
2日に行われた発表イベントで、GoogleはChromeのJavaScriptの実行速度をしきりに宣伝していた。JavaScriptは、「Google Docs」やYahooの電子メールソフトウェア「Zimbra Desktop」、Zohoのウェブアプリケーションスイートなど、多くの高性能ウェブアプリケーションに使用されているプログラミング言語だ。Googleは、5種類のJavaScriptベンチマークを採用し、これとChromeのJavaScriptエンジンである「V8」を用いた性能テストの結果を示したが、Mozillaは「SunSpider」という別のベンチマークテストでGoogleに対抗した。
「TraceMonkey」に携わっているプログラマーでJavaScript発明者のBrendan Eich氏はブログに「われわれはブラウザ競争の真っ最中で、迅速に行動している。『Mozillaはもう終わりだ、という報道はかなり誇張されたものだ』」と書いている。また、Eich氏はChromeを上回るFirefoxのベンチマークスコアに言及し、「TraceMonkeyは『V10』に改称したほうがよさそうだ」とも述べている。
Mozillaが2008年内にリリースしたいと考えている「Firefox 3.1」には、JavaScript加速技術のTraceMonkeyが搭載される。Mozillaが実施したTraceMonkey搭載Firefoxとベータ版Chromeの比較テストでは、ChromeのほうがWindows XPで28%、Windows Vistaで16%速度が遅かった。
だが、ここで1つ注意しなければならないのは、SunSpiderは廃れつつあるテストだと、以前からMozillaのプログラマーたちが述べていた点だ。GoogleのベンチマークテストにおけるTraceMonkey搭載Firefoxのスコアか、せめて、Google側のベンチマークの質に関するMozillaのコメントがあってもいいのではないかと思う。それにもちろん、JavaScriptは、重要ではあるものの、ブラウザの総合的性能の1要素にすぎないことを忘れてはならない。
最新情報(太平洋夏時間午前8時16分):MozillaのChris Blizzard氏から指摘を受け、もっと幅広いJavaScriptベンチマークテストを行ったJohn Resig氏の記事をチェックした。Resig氏のテスト結果のほうが全体的に見てはるかにバランスがとれているが、その一方で、Googleが採用したテストでは、現行バージョンのFirefoxと比べてもTraceMonkeyのスコアが劣っていることも判明した。
だが、TraceMonkeyチームは現在、Chromeと比較してTraceMonkeyのスコアが劣る原因になっている特定の問題に取り組む予定だと、Eich氏は自身の投稿の中で書いている。
Eich氏のブログには、以下のような記述がある。「(ある)グラフは、反復処理が多い数種類のテストではV8が圧勝していることを示している。われわれは反復処理に関する問題を突き止める計画だ。単に今は十分な時間がなくて着手できていないだけだが、これは『次に取り組む課題』だ」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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