「Firefox」は、現時点でも十分に高速である。ある調査テストでは、わずかに「Safari」よりも遅いとの結果が出たものの、ここで意味する「わずかに(Safariより)遅い」とは、「猛烈に速い」ことを意味してもいる。
Mozillaが革新的に開発を進める「TraceMonkey」によって、さらにFirefoxは速くなろうとしている。パフォーマンスの大幅な改善を考えてみてほしい。
CNETのStephen Shanklandが、すでに詳細を伝えているため、ここで筆者が論ずるまでもないが、これはとりわけFirefoxにとって、ブラウザパフォーマンスの目ざましいブレークスルーとなることは確実だろう。Mozillaでエンジニアリング担当の暫定バイスプレジデントを務めるMike Shaver氏は、次のように語っている。
TraceMonkeyプロジェクトが目指すところは、まだ現時点では初期段階に過ぎないものの、JavaScriptのパフォーマンスを別次元へと改良することにあり、他のインタプリタとではなく、ネイティブなコードと競合し得るレベルへと到達しようとしている。
TraceMonkeyは、どれほど高速なのだろうか?Mozillaは、その初期段階の開発の成果を、以下のように示している。
これほど大幅にJavaScriptの高速化が図られるならば、何を行いたいだろうか?筆者は、今後は特にFirefox向けに記述されたアプリケーションが、大幅に増加することになるのではないかと予想している。このことにより、「Internet Explorer」(IE)ではなく、Firefoxが、ウェブ開発者の新たな開発プラットフォームのデフォルトターゲットとなることがあろうか?おそらくそのようになるだろう。Firefoxで、もっと多くの機能やパフォーマンスを実現できるならば、開発者は、多くの時間をFirefoxに費やすことになりそうである。
現時点では、依然としてFirefoxはギークの領域を出ないものの、ウェブ開発者の市場シェアでは増加が見られていることからすれば、すでに開発者の好みという観点では、FirefoxがIEに追いついてきていることを示唆している。大幅な高速化が実現すれば、IE離れのこの傾向は、より顕著なものとなりそうである。
次なる質問は「市場で優位に立ったならば、Firefoxは、どのような行動を取るだろうか?」というものである。IEが「Netscape」を追い落とした途端、意欲を落としてしまったMicrosoftとは異なり、明らかにMozillaは、これまでと同じペースを保つことになるだろう。それは、ブラウザ開発と革新の限界に挑み続けるというペースである。市場の独占主義者の主導ではなく、コミュニティー主導で進む時に、これは可能になる。
筆者は、このFirefoxという新たな勝者が気に入っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス