YouTube従業員が閲覧しアップロードした動画を明らかにするようViacomが求め、Googleがそれを拒んでいる。両社の対立がCNET Newsの取材によって明らかになった。
この問題に近い情報筋2人によると、両社と、Googleを提訴中の著作権所有者グループを代表する弁護士は、Google傘下にあるYouTube利用者に関する個人情報の匿名化で最終合意に至らなかったという。
Viacomによる賠償請求額10億ドルの対YouTube著作権訴訟の一環として、連邦判事が先ごろ、YouTubeに対してIPアドレスやユーザー名などの記録を開示するよう命じた。同情報筋によると、GoogleはまたYouTube従業員の閲覧履歴とアップロード履歴を含む記録も開示するよう求められたという。
判事による命令が下って以降、MTVおよびComedy Centralの親会社であるViacomは、YouTube利用者のプライバシーを侵害しようとしているとして多方面から批判を受け、個人を特定できる情報は求めていないという釈明を繰り返している。
Viacomの広報担当は、「Viacomはそうしたデータの匿名化を提案しており、当初から匿名化した情報を受け入れる用意があった」と述べる。
訴訟記録によると判事は訴訟の中で、YouTubeに対してViacomが求めた情報の提供を命じただけだというのが評論家の見方だ。社員の記録について、Googleは米国時間7月12日、利用者のプライバシー問題が解決しない限り、それ以外のことについて交渉するつもりはないと述べた。
Googleの広報担当は、「Viacomら原告は、何よりもまず、個人の閲覧データを要求すべきではない」と述べ、「1週間前に当社による匿名化に同意すべきだった。当社は関係者すべての閲覧状況の開示について話し合う用意がある。しかし、その前に、利用者情報を保護するという簡単明瞭な問題を解決すべきだ。訴訟における原告側の補足的な優位性のために当社利用者のプライバシーを人質とすべきではない」と語った。
同情報筋によると、先ごろ行われた利用者データのマスキングに関するGoogleとViacomの交渉は、Googleが交渉を打ち切ったとき合意一歩手前だったという。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス