Adobe Systemsの「Flash」技術を回避する方法として、Appleはオープンソースのソリューションを考えていると言えるかもしれない。
RoughlyDrafted Magazineは、米国時間6月9日〜13日に開催された「Worldwide Developers Conference(WWDC)2008」のセッションについて話してもいいという開発者を見つけることができた。機密とされてはいるが、この手の話はどうしても露見してしまうものだ。13日のセッションの1つは「SproutCore」と呼ばれる技術に関するものだったらしい。これによってAppleの開発フレームワーク「Cocoa」が、ウェブ開発者たちの心をとらえられるようになるかもしれない。
現在ウェブアプリの存在は大きくなっており、開発者は作るアプリケーションの性能と魅力を改善する方法をたえず探している。となればたいていの場合、開発者はAdobeのFlash技術やMicrosoftの「Silverlight」技術を使って、時間を節約するとともに派手なグラフィックスを活用することになる。しかし、こうした規格の1つを使ってウェブアプリを開発することを選ぶと、その特定の規格のためのブラウザ用プラグインに制約されざるを得なくなる。
SproutCoreは、プラグイン内ではなくブラウザ内でウェブアプリを実行させることで、そうした制約を回避する。AppleはこのSproutCoreを利用して、新サービス「MobileMe」の一部としてWWDCで発表されたウェブアプリを制作したようだ。MobileMeは古くなりつつある「.Mac」サービスに置き換わることになっている。
SproutCoreがどのようにウェブ開発者の役に立つのかについて、詳細はRoughlyDrafted MagazineやAppleinsiderの同様の記事を確認してほしい。ウェブ開発のコースをいくつか受けたことがある程度の知識がないことには、この話題を適切に評することはできない。
ただ基本概念としては、Appleと同社のソフトウェア開発パートナーが、iPhoneやMacの「Safari」向けによりリッチで「デスクトップアプリに似た」ウェブアプリを、AdobeやMicrosoftのプラグインのライセンスを受けることなく作れるようになるというものだろう。加えて、Windowsマシンの開発者がMacのアプリケーションのようなウェブアプリを作ることも可能になるかもしれない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」