ウェブサイト「悪徳商法?マニアックス」の管理人である吉本敏洋氏がはてなを訴えた。はてなのサービス上で受けた嫌がらせに対し、同社が適切な処置をとらなかったとして、100万円の損害賠償および発信者情報の開示を求める裁判を東京地裁にて提起したことを6月10日のブログ記事で明らかにしている。
訴訟を提起するに至った経緯は以下のようなものだ。
当方は、はてなのサービス上において、匿名の人物などからの度重なる嫌がらせを受けており、これまで1年半以上に渡って、メールなどではてなに対処を求めて来ました。しかし、なんら有効な対策を行わないばかりか、住所・氏名の掲載といった明らかなプライバシー侵害についても、こちらからの要請に対して2ヶ月以上経っても全く返答が無いなど、運営の怠慢は目に余るものがあります。(編集部注:一部個人名はふせました)
私としては、はてなは有望な日本の企業であり応援したい気持ちから提訴は控えてきたのですが、もはや裁判に訴えることこそが、はてなのためになると思い、訴訟を提起するに至りました。
吉本氏は、はてなの技術力を高く評価しながらも、「『人間的なマインド』を忘れた組織に発展はありえません。出来ることなら、はてなには、裁判を通じて『心』を取り戻して欲しい」としている。
これに対しはてなは、吉本氏が訴訟を起こしたことは認識しているものの、まだ正式な連絡が届いていないため、申し立ての内容がどういったものかは正確に把握できていないとしている。吉本氏のブログの記載内容について事実かどうか確認を求めたところ、「規約に則って対応してきました。正式な訴状が届き次第対応させていただくことになると思います」とコメント。今後、訴訟に関して発表できる事実がある場合は随時サイトに掲載していくという。
吉本氏は4カ月前、NTTコミュニケーションズ(OCN)に対しても発信者情報の開示を要求する裁判を起こしていた。こちらはOCNの管理するIPアドレス匿名で、2ちゃんねるに個人情報を掲載されたことに端を発している。5月23日に結審し、判決は7月4日に出るという。
同氏は悪徳商法?マニアックスを運営するかたわら、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)から資金を得て、いわゆる「グーグル八分」が現状どの程度行われているのかを知るためのシステム開発を進めている。
また、こうした中で、訴訟を提訴する経緯の中で「匿名の人物」とされている当事者は、ブログで今回の件に関して反論している。
編集部注:当初この記事を掲載した際には本文中にブログなどへリンクをはっていましたが、リンクを削除させていただきました。
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