アップルのiPhone 3Gが日本でも7月11日に発売される。この携帯電話端末は、検索プロバイダからも非常に魅力的な製品で、グーグルとヤフーが相次いでiPhone向けページを公開した。
グーグルは5月27日にiPhone向け各種Googleサービスの日本語版を公開。それに対しヤフーが専用検索ページを披露したのは、ソフトバンクモバイルがiPhone獲得を発表した直後。6月4日のことだ。
グーグルの検索製品および利便性向上担当副社長であるMarissa Mayer氏はiPhoneを高く評価する。「アプリケーションがリッチになれば、携帯電話はより強力な力を持つようになる。Gmailや地図、サーチをフルスクリーンで表示できるiPhoneが、この分野でリードしているのは自明の事実だ」。
ただ、アップルとグーグル、ヤフーの三角関係は複雑だ。iPhone向けアプリケーションの開発環境や流通経路を揃えたアップルは、携帯電話向けプラットフォーム「Android」を擁するGoogleとある部分では競合する。
その一方で、iPhoneの中にはデフォルトでGoogleマップやYouTube、Gmailなどの製品が組み込まれてもいる。
この点、日本国内ではどうなるのだろうか。日本でiPhoneを提供するソフトバンクモバイルは、Yahoo! Japanと同じグループに属しており、携帯電話向けサービス「Yahoo! ケータイ」で協業している。検索の分野でヤフーと競合するグーグルは、日本国内でもiPhoneに関われるのだろうか。
この疑問に対し、Marissa Mayer氏は、「日本でもiPhone向けにGmailアプリを提供していく」と明言した。「iPhoneの日本市場での展開によるため、いつになるかはわからないが、提供する方向で取り組んでいく」。
では、開発者向けSDKとApp Storeを揃えたiPhoneと、携帯電話のプラットフォームの座を狙うAndroidの競合関係はどうか。さらにアップルの新しいソリューション「MobileMe」がグーグルのオンラインスイートの脅威となるのでは、との見方もある。
これについて、グーグルのモバイルプラットフォーム担当シニアディレクターであるAndy Rubin氏は、アップルとグーグルの関係は非常に良好なもので、パートナーシップも構築できていると語った。
「アップルの素晴らしい製品でグーグルのサービスの1つであるGoogleマップがサポートされているという事実が両社の関係を物語っている」(Andy Rubin氏)
同氏によれば、グーグルがAndroidで実現したいことは、モバイル関連プロダクトのイノベーションをユーザーに提供していくことだという。
「Androidはシングルプロダクトではなく、あくまでもプラットフォームであると考えていただきたい。例えばインターネットの世界で言うところのマッシュアップをサポートできるのがAndroidだし、そのために私たちはこれまでに多大な投資を行ってきた。もちろん、我々はオープンな立場なので、必ずしもAndroidに限定せずに、Androidであってもなくても、サポートしていきたいと考えている」(Andy Rubin氏)
Androidはいつ普及するか、という問いに対しては、「(グーグルのCEO)エリック・シュミットから、『お前の仕事はやりづらいだろうな。Androidは存在するが、まだ出荷されていないのだから』と言われている(笑)」と明かしながらも、「卵が先か、鶏が先か、という議論に似たものがあるが、Androidを積んだ製品が出荷されれば、開発者たちのエコシステムが期待できるだろう」と展望を語った。
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