Googleが「Gears」プロジェクトを発表したのは1年前になる。米Yahooもまた、ブラウザ環境を改善したい意向だ。
Yahooは、「BrowserPlus」というソフトウェアを発表した。これは、ウェブアプリケーションをPC上でネイティブに稼動するプログラムに対するより良い代替物とすることを可能にする拡張という点ではGearsと同じような考え方である。現在、BrowserPlusは同社が運営するウェブサイトの一部でのみ利用することができる。
Yahooは、BrowserPlus向けのFAQページで「BrowserPlusは『ウェブを広げる』ことを意図したテクノロジである。開発者は、より刺激的なウェブアプリケーションを開発することができ、エンドユーザーはウェブブラウザ内でより多くのことができるようになる」と述べている。
「さまざまなウェブサイトがBrowserPlusを使い、デスクトップからのドラッグ&ドロップやより簡単なファイルアップロード、より効率的で安全なフィードや情報の取得、ネイティブなデスクトップ通知などをサポートすることが可能だ」(Yahoo)
これは、少なくとも原理的には、すばらしく感じる。筆者はGoogleやFacebookのウェブベースのインスタントメッセージングアプリケーションを使用してみたが、デスクトップ通知がなければ、それらは昔からのウェブメールソフトウェアと大して即時性も便利性も変わらない。
Gearsと同様、BrowserPlusはウェブ設計における興味深い傾向を示している。つまり、最大手企業らが、インターネットでできることを拡大しようとしている。これは、NetscapeやInternet Explorerが新機能を実装して、より凝ったウェブサイトを可能にしたウェブの初期を思い出させる。
Googleは、競合企業がより簡単にGearsを採用することができるよう取り組んでいるように見える。Googleは米国時間5月28日、Google I/Oカンファレンスで、Gearsのブランド名を変更し、同社の名称をプロジェクトの名前からはずした。そして、いくつかの新たなウェブブラウザの対応を発表した。
BrowserPlusは、Mac OS X 10.4および10.5を搭載したマシン、Windows XPおよびVistaを搭載したPCで動作する。Yahooによると、対応するブラウザは、Internet Explorer 7以降、Apple Safari 3以降、Firefox 2以降だという。
BrowserPlusを試したい人は、YahooのBrowserPlusデモサイトで確認できる。このサイトでは、ページ組み込みのFlickrフォトアップローダが用意されていて、ユーザーは写真のドラッグ、回転、トリミングが可能。また、IRC IMクライアントやプログラマ向けにはJSON(JavaScript Object Notation)インスペクタが用意されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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