Yahooは、同社の地理情報カタログの情報を外部のウェブサイトでも使用できるようにする。これにより、プログラマーらは、Yahooのデータやサービスを自分のアプリケーションに組み込めるようになる。
Yahooは地理データへのインターフェースを提供する、と語るのは、Yahooが運営する写真共有サイトFlickrでジオタギング機能を推進するエンジニアのDan Catt氏だ。このカタログでは、世界各地のさまざまな場所にWhere On Earth ID(WOEID)と呼ばれる数字で構成された識別子が付されている。
「Yahooが地理データベースを開放した」とCatt氏はブログエントリで述べている。例えば、オーストラリアのシドニー・オペラハウスのWOEIDは28717584だ。
このサービスは、YahooがYahoo Internet Location Platformと名付けたサービスの一環だ。このInternet Location Platformは、開発者がインターネットに地理機能を組み込めるようにすることを目的としているが、現在はベータテストの段階だ。
米国時間5月13日から本格的に始まるO'ReillyのWhere 2.0カンファレンスで、この件に関する新たなニュースが発表される予定だ。Yahoo Developer Networkのウェブサイトによると、Yahooは同カンファレンスで、Internet Location Platformのプレビューを行うという。Catt氏も14日に講演を行う。
このサービスは、Yahoo Open Services(YOS)プランの趣旨と完全に一致する。YahooはYOSの下で、同社のウェブサイトを他のアプリケーションの基盤にしようと目論んでいる。具体的には、アプリケーションが直接Yahooのプロパティ上に構築されたり、あるいは、ネットワークを介して外部サイトでYahooのサービスが導入されるといった具合だ。
YahooはYahoo Developer Networkのサイト上で、「(Internet Location Platformはプログラマーたちに)絶対的かつ永続的、そして中立的な言葉で世界の地理を表現するための語彙と文法を提供する」とし、さらに次のように続けている。「Internet Location Platformは、空間情報の相互運用性を促進し、地理的発見を容易にすることを目的としている。同プラットフォームのユーザーは、空間的階層を行き来し、彼らのユーザーやビジネスに関連する地理的位置を特定できる。つまり、ウェブ中のデータの明確なジオタギング、ジオターゲティング、ジオロケーティングが可能になる」
同プラットフォームの説明によると、現在およそ600万件のWOEIDが存在し、その中には郵便番号、都市、タイムゾーン、郊外が含まれているという。今のところ、地勢や水域は含まれていない。
Yahooの元従業員のSimon Willison氏によると、Yahooは2005年に買収したWhereOnEarthから地理データを入手したという。
WOEIDインターフェースでは、例えば地名をある言語から別の言語に翻訳したり、歴史的建造物のWOEIDを調べたり、さらに、特定の場所の候補IDのリストを提供するといったことも可能だ。
また同インターフェースでは、プログラマーが特定のWOEIDの「親」も発見できる。例えば、ハースト城の親はサンシメオンの街で、その親はサンルイスオビスポ郡で、そのまた親はカリフォルニア州で、さらにその親は米国といった具合だ。
また、近くの街や近隣諸国といった近接地域の検索も可能だ。ただ、WOEIDは住所レベルにまでは割り当てられていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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