サンフランシスコ発--NBC Universalの最高幹部は米国時間4月16日、同社のテレビ番組を再びAppleのiTunes Storeを通じて配信したいという考えを明らかにしたものの、自社の企業収益を守るために違法コピー防止対策が必要だとも語った。
NBC Universalの最高デジタル責任者であるGeorge Kliavkoff氏は、違法コピーコンテンツの流通と闘うという話において特にAppleを名指ししたわけではなかったものの、iPodのメーカーであるAppleを念頭に置いていたことは明らかだった。
Kliavkoff氏は当地で開催中のカンファレンス「ad:tech san francisco」における壇上でのインタビューで「MP3プレイヤー、特に市場をリードしているMP3プレイヤーと、そのコンテンツに占める違法コピーコンテンツの割合についての調査結果に目を向け、そのコンテンツがどうやってそのデバイスに持ち込まれたのかを考えれば、門番のようなソフトウェアを置く必要があるはずだ。そしてそこは違法コピー防止対策を組み込むためのよい場所となるだろう」と述べるとともに、「NBCにとっての大きな問題は、違法コピーコンテンツが流通しているという実態だ。われわれはこれによって日々経済的な打撃を被っている。その結果、われわれは次世代の映画やテレビ番組に十分な投資をすることができなくなってしまっているのだ」と述べた。
AppleのiTunes Storeは米国最大の音楽販売店となったが、AppleとNBC Universalの関係は冷え込んでいる。NBC Universalは2007年、Appleとの間の価格交渉で折り合いがつかなかったため、iTunes Storeから自社のテレビ番組コンテンツを引き上げた。しかしKliavkoff氏は、番組供給を再開したいとの考えを明確にした。
同氏は「われわれはiTunes Storeにコンテンツを供給したいと考えている。iTunes Storeは顧客に素晴らしいエクスペリエンスをもたらすものだ。われわれは、自社コンテンツをiTunes Storeに供給する道を模索したいと考えている」と述べたが、交渉の有無については明らかにしなかった。また同氏は「われわれはiTunes Storeに映画を供給しているため、Appleとのやり取りはある」とも述べた。
懸案となっているのは、いまだに価格のようである。NBC Universalのやり方では、同社が流通業者に対するコンテンツの卸売価格を設定し、その後で流通業者が自由に小売価格を設定するようになっている。
Kliavkoff氏は「小売業者は、利益が出るように価格を設定することも、集客のために原価割れの価格を設定することもできる」と述べ、「われわれにとって、『卸売価格と小売価格はこうだ』と言ってくるようなパートナーと一緒にやっていくことは、特にその価格が製品の真の価値を反映していない場合には、非常に困難だ」と説明した。
「音楽業界にたずさわる者であれば、ここ数年で価格が製品に与えてきた影響について、何かしら言いたいことがあるはずだ」(Kliavkoff氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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