DivXが米国時間3月11日、動画共有サイト「Stage6」を売却せずに閉鎖する決断を下した理由を明らかにした。
DivXの最高財務責任者(CFO)Dan Halvorson氏は、会計年度第4四半期の決算を報告した電話会議の席上で、幹部たちがStage6の閉鎖を決めるに至った理由の1つに「著作権侵害訴訟の可能性」があったと発言した。インターネットビデオ技術を提供するDivXの資料によると、Stage6が閉鎖する数週間前に、多額の賠償を求められる著作権侵害訴訟を防ぐ取り組みが頓挫している。
もっとも、Halvorson氏が閉鎖の理由をあえて説明したのは、MySpaceの共同創設者であるBrad Greenspan氏から疑問を投げかけられたからだ。オンラインエンターテインメントネットワークLiveUniverseを運営するHalvorson氏は2月にStage6の買収を試みたが、DivXに買収案をはねつけられたことを受け、DivXとの間にあった経緯を明らかにした。
Greenspan氏は声明で、DivXの幹部たちはStage6を売却せずに閉鎖する選択をすることで株主の利益をないがしろにしていることを示唆した。「DivXは最悪の事態を避けることはできたはずだ。Universal Musicはコンテンツを3000万ドルでライセンス提供するチャンスを与えたのに、これも却下されてしまった」とGreenspan氏の声明には書かれている。
この議論からは、ビデオ共有サイトがはらむ財政および法制上のリスクが浮かび上がってくる。Googleの資金で支えられているYouTubeなら、エンターテインメント業界の大手企業から訴えられても応戦できるだろうが、他社はそうはゆかないのである。
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