「インターネットで有名になる」ということは、何を意味するのだろうか。
これを主題とするパネル討論がSouth by Southwest Interactive(SXSWi)で開催された。司会はニューヨーク大学でフェミニズムとソーシャルメディアを研究している大学院生Alice Marwick氏で、パネル討論のタイトルは「Core Conversation : I'm Internet Famous: Status in Social Media」だった。
パネルに登場したのは、Dodgeballの創設者Dennis Crowley氏、Valleywagの執筆者Melissa Gira Grant氏、ビデオパーソナリティーにしてデートコラムも執筆するJulia Allison氏、BoingBoingのJoel Johnson氏、YpulseのAnastasia Goodstein氏、Budget FashionistaのブロガーKathryn Finney、Boinkologyの編集者Lux Alptraum氏、ポッドキャスターDave Delaney氏(妻と共に育児ポッドキャスト「Two Boobs and a Baby」を主催)の各氏。意外ではないが、各人の評判(あるいは悪評)の程度はさまざまだ。
インターネットコミュニティの外でこうした人物の名前を1つでも口に出せば、呆然とした眼差しに囲まれる羽目になるのは請け合いだ。だがそれは、「マイクロセレブ」には語る価値がないことを意味するものではない。インターネットでの名声はごく狭い範囲に限られたものにすぎないが、特定のテーマに関心を持ち密につながった人々の中での名声なのだ。
Marwick氏は「規模にかかわらず、どのような集団あるいは社会においても、ある種の階層ができてくるものだ」と言う。それは忌むべきものではなく「人々が集まり組織を作る際に使われる、ごく一般的な方法にすぎず」、ウェブも例外ではないと説明する。
ならば、何がインターネット有名人を作るのだろうか。コンテンツ制作者やブロガーコミュニティでのページビューだろうか、起業家たちの価値判断や投資家だろうか、Twitterでの「following」に対する「followers」の割合だろうか、「情報仲介者」としての世評の高さだろうか(たとえばMichael Arrington氏やRobert Scoble氏が推薦すると少なくとも一時的には注目される)。さまざまな意見が飛び交った。
しかし、インターネットでの名声と通常の名声とを同列には置くことはできない。SXSWiのようなイベントがいかに注目を集め、ウェブ世界の「マイクロセレブ」をその境目に詰め込んだとしても、それはやはり不可能だ。
このパネル討論で、ある人が「インターネットセレブを過大評価するきらいがある」と述べ、次の例を挙げた。Jeff Buckley氏がLeonard Cohen氏の「Hallelujah」をカバーし、人気のあるブロガーがそれを推薦すると、たちまちiTunesダウンロードチャートのトップに上り詰めた。これは、ブロガーの影響力を示したと思われている。
だが、その頃ポップカルチャーの人気番組「American Idol」もこの歌を取り上げていたのだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス