デジタルビデオカメラの値段が安くなり、YouTubeなどの動画共有サービスが普及したことで、個人が動画を使って表現することも手軽にできるようになっている。こういった環境を促進しようと、1月26日、東京都内でビデオブロガーが集うイベント「動画人JAPAN 2008」が開催された。
ビデオブロガーとは、動画を使ったブログを積極的に掲載している人たちのこと。米国ではいくつもビデオブロガー向けのイベントが開催されているが、「日本ではおそらく初めてのビデオブロガーイベント」(主催者の1人であるボイスバンクの田島由香子氏、ブログ「あみのタジーのポッドキャスト冒険ブログ Tajee's Podcast Adventure!」を運営)という。
主催者の1人であるアジャイル・メディア・ネットワーク取締役の徳力基彦氏によれば、さまざまな動画ソフトやサービスが登場したことで、現在は個人でも簡単に動画コンテンツを扱える環境が整ったという。
たとえば撮影機材も携帯電話やデジタルカメラ、小型ビデオカメラなど低価格のものが多く市場に出るようになった。撮影した動画は1〜2万円程度のPC用ソフトやオンラインサービスで加工でき、YouTubeやmixi動画といったサービスを使えば無料でウェブ上に公開できる。視聴もPCだけでなく、iPodなどの携帯プレーヤーや携帯電話、ネットワーク対応ゲーム機などで手軽にできるようになっている。
イベントでは日本のビデオブロガーの先駆けが動画編集やビデオブログの運営に関するノウハウを紹介した。ブログ「ショビショビンのズバズビ(ショビズバ)」を主催するジェット☆ダイスケ氏は素早く動画を編集、公開する自身の手法を「ジェットカット」と名付けて紹介した。
ジェットカットとは、撮影した動画のうち、不要な部分をできる限り削ることで動画のテンポを良くする手法だという。これにより見る側の負荷を下げるだけでなく、ファイルサイズも未編集時に比べて小さくできるため、ストレージ容量が少なくて済む。また、効果付けなどはせず、不要な部分をカットするだけの編集作業なので作る側の手間も少なく、再レンダリングの必要もない。
新幹線「N700系」の試乗会に参加したときには、東京駅で乗車して撮影した動画を名古屋に着いたあたりから編集しはじめ、大阪に着いた時にはすでに2本の動画の編集を終えていたという。「テレビ局より早く配信できた」(ジェット☆ダイスケ氏)
使っている動画編集ソフトはQuickTime Pro。動画上に別の動画を小さく表示するピクチャーインピクチャーと呼ばれる手法も簡単にできるとして、デモンストレーションも披露した。
このほか、10人のブロガーが集まって運営しているビデオブログ「トーキョードリフト」の事例も紹介された。メンバーはそれぞれ動画を撮影し、Skypeで打ち合わせをしながら1つのビデオブログを作り上げていくという手法を取る。
動画はsenduitというサービスを利用して共有する。これは100Mバイトまでの大きさのファイルを最大1週間預かってくれるサービスで、ファイルごとにユニークなURLを生成する点が特徴。「加工したファイルの保存や管理をしたくないので、1週間たつと自動的に消えてくれる点が便利。また、ファイルがあるURLをSkypeのグループチャットで知らせれば各人が見られるというメリットがある」(メンバーの1人でブログ「みたいもん!」を運営するいしたにまさき氏)
メンバーはそれぞれ、「とりあえずビデオを撮っておく」ということを心掛けているという。撮影することに慣れるためだ。こうして、1〜2分程度の短いファイルをこまめにたくさん撮影して後から選ぶほうが編集が楽だ、ということに気づいたといしたに氏は話した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス