米Yahooは米国時間1月17日、共通インターネットログインの標準規格である「OpenID 2.0」をサポートすることを明らかにした。ウェブ上でのサービスの相互運用性への流れが加速する中、最も重要な動きの1つである。
Yahooの現在の安定性に対する評価がどうであれ、これは間違いなくOpenID 2.0にとって大きな勝利といえる。少し前まで、インターネットの世界でOpenIDは未来の夢物語だった。OpenIDの生みの親はWeb 2.0のカリスマ的存在であるBrad Fitzpatrick氏である。同氏はLiveJournalの設立者であり、2007年にはOpenSocialデベロッパー構想における最重要人物の1人としてGoogleに迎え入れられた。
OpenIDは、関連のない複数のウェブサイトへのシングルログインを可能にする仕組みである。AOLやPlaxoといった大手サイトが徐々に同規格への対応を始めているが、全体的にはオンラインコミュニティーというより、ウェブ世界のアーリーアダプター向けのツールセットというのが現状だ。
しかし最近になって、ソーシャルネットワークの相互運用性をめぐる議論に影響される形で、共通規格はWeb 2.0において最も注目を集めるテーマとなっている。
全世界で登録ユーザー数2億4800万人を誇るYahooでは、OpenIDをサポートすることで、合計3億6800万のインターネットユーザーがOpenID対応アカウントを利用できるようになるとしている。YahooによるOpenIDのサポートは、1月30日にパブリックベータが開始される予定である。これによって、Yahoo IDをOpenIDに統合可能になり、すべてのパートナーサイトで有効になるだろう。
一方でOpenIDを受け入れるサイトは、「Sign in with your Yahoo ID」ボタンを表示することが可能になるだろう。
より多くのIT企業がOpenIDに参加するようになり、この規格を使用する一般のインターネットユーザーが増加すれば、必然的にセキュリティーの問題が浮上してくる。OpenIDにはIDを管理するための中央システムが存在しないため、ユーザーはOpenIDに対して、どのサイトを信用するかを選択することが可能だ。だが、常にその選択が正しいとは限らない。そう遠くない将来、ウェブにおける個人のプライバシーやセキュリティーにとって、共通規格が持つ意味を問う出来事が起こりそうだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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