富士フイルムは1月15日、同社が提供するラボサイト「FUJIFILM Internet Technology Lab」の第2弾サービスとして「顔ラボ」を開設し、独自の顔認識技術を使ったコンテンツの提供を開始した。
富士フイルムでは、自社の先進ソフトウェア技術を公開するため2007年7月にラボサイトを開設し、第1弾サービスとして画像検索エンジン「TRIPIT」を公開している。
顔ラボではまず1月15日より、画像検出技術を利用してアップロードした画像上の顔にエフェクトを入れられる「顔シークレット」を提供する。
顔シークレットではユーザーが画像をアップロードすると、同社の顔検出技術により画像上の顔が検出され、その顔それぞれに目伏せやぼかしといった6種類のエフェクトをかけることができる。ある程度斜め方向や下を向いている顔も検出可能だ。
加工後の画像は印刷することが可能だが、直接画像として保存することはできないため、キャプチャーをとるなどの作業が必要がある。検出には精度優先と速度優先の2パターンが用意されており、いずれも検出できる顔のサイズを調整できるほか、検出された顔それぞれにエフェクトの有無を指定できる。
また、1月21日には画像検出技術を利用したFlashゲーム「顔シャボン」を提供し、1月28日にはAPIの公開を予定する。APIを利用することで、顔が検出された画像の矩形情報を得られる。APIの利用は非商用限定となっており、ユーザー登録が必要だ。
顔ラボではサイト上でコメントやトラックバックを受け付けており、ユーザーの声にあわせて顔シークレットのエフェクトの追加なども検討していきたいとしている。
「我々の顔検索技術はトップレベル。世界のコンペティションでも実績がある」そう語るのは同社新規事業開発本部ネット応用ビジネス推進部部長の羽田典久氏だ。
富士フイルムではイメージングシステムから印刷や医療などで培ったさまざまな顔検索技術を所有おり、今後はそれらの技術を今以上にインターネットビジネスに結びつけたい考え。新規事業開発本部ネット応用ビジネス推進部の阿部優子氏も「マルチメディア化が進んだことで画像技術へのニーズは高まった」とする一方で、ユーザーの声を聞くという点では「コミュニケーションサイトもあるが不十分だった」としている。
同社では今後、ラボサイトでAPIや自社技術を利用したサービスを公開してユーザーのニーズを調査するほか、同社の技術を利用してサービスを開発したいベンチャー企業などに対しても、積極的に話し合いを進めたいとしている。
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