アルファブロガー運営委員会が12月10日に発表した「アルファブロガー・アワード 2007」。同委員会の事務局を務めるシックス・アパートとアジャイルメディア・ネットワーク(AMN)は12月25日、同アワードの今後のあり方についての説明を行った。
アルファブロガー・アワードはもともと、AMN取締役の徳力基彦氏が運営する「Future Planning Network(FPN)」が主催していたもの。米国で多くの読者に影響を与えるブロガーを指す「アルファブロガー」を国内で探すという目的で、ボランティアの有志によって2004年より開催されていたが、2007年からアルファブロガー運営委員会の主催となった。
2007年のアワードでは、2006年までにアルファブロガーとして表されたブロガーが選出した60のブログに対して11月1日〜12月2日の1カ月間オンライン投票を実施。そこで投票された5938票と、ソーシャルブックマークサービスやテクノラティなどでの評価を総合して15名が選出された。
シックス・アパートコーポレートマーケティングディレクターの清田一郎氏は、ブログが世間に認知され、数が増加した一方で、目当てのブログが探せない状態になりつつあるという現状を説明する。しかしアワードの選出を行ったところ、実際には法律や医療など、さまざまな専門分野のオーソリティがブログを情報発信の手段として利用し、質の高い情報を公開している状況であったという。
ただし、専門分野ごとにブログが横断してつながっているわけではなく、それぞれが分断されているため、そういった価値のあるブログに気付きにくい状況にあるというのだ。清田氏は、アワードの発表後に「こんなに多くの(分野の)ブログがあると思わなかった」と、IT・ネット系のブロガーからも反響があったと語る。
運営委員会では、アワードをそういった分野ごとのブログ同士をつなげる役割として育てていきたいと説明する。今回のアワード開催について否定的な意見も寄せられたとした上で清田氏は「権威的なイベントをするのはどうかという意見もあるが、(分野ごとに分断されたブログを)横断するためのハブになっていきたい」とした。
アルファブロガー運営委員会では2008年以降、ブログの認知という「アウトプット」の意味合いのあるアワードを開催するだけでなく、ブロガーがブログをアウトプットするためのノウハウを伝える「インプット」の意味合いを持つイベントも開催して、ブログの啓蒙をすすめる。また、シックス・アパート代表取締役の関信浩氏によると、運営委員会がブログの啓蒙から収益化まで、幅広くサポートしていく予定だという。
2008年夏にも最初のイベントが開催される予定で、内容は未定ながらブロガーやブログ自体の認知を高めるための教育イベントや企業と個人のブログへのつきあい方を伝えるイベントなどが検討されている。また、2008年末に予定するアワードについても選出方法や投票方法などを見直すとしている。
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