Kaspersky Labのウイルス対策システムが、Microsoft製のOSの極めて重要なコンポーネントWindows Explorerを悪意あるコードと誤判定し隔離してしまった。
同システムの利用者が米国時間12月19日夜に通報したもので、同社によると、問題のシグニチャが配布されていたのは2時間だったという。
同システムはexplorer.exeファイルにHuhk-Cというウイルスが侵入していると判断し隔離、一部では削除した。Windows ExplorerはWindowsのファイルシステムを操作するグラフィカルユーザーインターフェース。それが隔離や削除された結果、ファイルの検索などといったOSでよく使われる多くの操作が困難になった。
同社シニアテクノロジーコンサルタントのDavid Emm氏が21日ZDNet UKに語ったところによると、同社は今回の誤判定が「検査をすり抜けた」原因を追究すべく現行検査項目を調査中だという。
「これは古典的な誤警報だ。システムを総点検し、同じ過ちを繰り返さないようシステムを強化できないか検討したい。当社を含むいかなるウイルス対策企業も誤警報から完全に逃れることはできないが、顧客の危険を最小限にするためできる限りの手は打つ」
Emm氏によると同社のデータベースに追加されるレコードは毎週3000件という。「検査プロセスが規模の問題」の領域に達しているという。
「問題のシグニチャ」は19日の午後7時頃に公開されたが、同社はシグニチャを調査する一方、被害を最小化するため「緊急対策」として2時間後には削除したという。
「当社は率先して顧客企業に問題を知らせた。企業(英国の)1社と、少数の個人利用者で問題が顕在化してしまったが、被害をこの範囲にとどめることはできた」。設定がデフォルトのままの場合、explorer.exeは削除されず隔離されただけだという。
同社は、3月に、Microsoftの一般消費者向けウイルス対策製品OneCareがMicrosoft Outlookのファイルを不正に隔離し、場合により削除することもあると批判していた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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