「みくみく」楽曲のJASRAC信託は著作権支払い手続き円滑のため--ドワンゴが釈明

永井美智子(編集部)2007年12月20日 20時02分

 ドワンゴの子会社で著作権管理を行うドワンゴ・ミュージックパブリッシングは12月19日、ニコニコ動画で人気の楽曲「みくみくにしてあげる♪【してやんよ】」の著作権使用料の徴収に関してJASRACに委託したことについて、公式コメントを発表した。

 「みくみく〜」はニコニコ動画に投稿され、これまでに200万ページビューを超える閲覧をされてきた人気楽曲。ニコニコ動画の一般ユーザーであるika_mo氏が作詞作曲したもので、クリプトン・フューチャー・メディアの音声合成ソフト「初音ミク」の人気に火をつけた楽曲の1つだ。11月にはドワンゴの携帯配信サイトにおいて「着うた」の配信を開始している。

 着うたの配信により著作権使用料の支払いが発生するため、ドワンゴ・ミュージックパブリッシングでは手続きを円滑に行うために作家から楽曲の信託を受け、使用料の徴収業務をJASRACに信託した。この件については、クリプトンおよびクリプトンが指定する権利処理業務の委託会社に確認し、了解を得ていたという。

 ただし、クリプトンではアーティスト名の表記について、「作家名+featuring初音ミク」という表記をするように求めていた。今回、「社内連絡の不徹底」(ドワンゴ・ミュージックパブリッシング)により、JASRACの登録にあたりアーティスト名を「初音ミク」として登録申請した。

 クリプトンは「みくみく〜」がJASRACに信託されていたこと、またアーティスト名が「初音ミク」となっていることを知らなかったと同社のブログに掲載。このことが初音ミクファンを中心に話題となり、ネット上で議論が巻き起こっていた。

 ドワンゴ・ミュージックパブリッシングではアーティスト名にクリプトンの希望と違う表記がなされたことについて、「クリプトン社様その他関係各位に深くお詫び申し上げます」としている。

 また、JASRACに信託していることについては、「現在の著作権管理団体の規約上は、私的交流における使用と商業目的による使用の定義・区別が明確ではなく、当該作品をリスペクトし、実質的にはユーザー間での交流目的での使用においても使用料が発生してしまう場合があることも、現実であると認識しております。特にネット文化が発達してきた現在においてどのようなルールにもとづいて著作物の管理を行うべきかは今後ユーザー間でも大いに議論すべきテーマであり、当社もまたJASRACをはじめとする著作権管理団体とも積極的な議論を行ってまいりたいと考えております」と述べるにとどめている。

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