NECビッグローブは12月17日、テレビアニメ「ローゼンメイデン」のキャラクターを使った音声合成実験サイト「Alice Project」を公開する。
Alice Projectでは、ユーザーが入力したテキストをリアルタイムで音声合成し、声優の沢城みゆきさん演じるローゼンメイデンの登場キャラクター「真紅」に読ませることができる。メールアドレスとユーザー名を登録することで無料で利用可能だ。
ログインしたユーザーは、真紅の台詞とアニメーション画像を組み合わせ、実際のアニメ同様に台詞に合わせて口元を動かして話す映像作品を作ることができる。また、ほかのキャラクターの静止画をカットインしてショートストーリーを作ることができる「プレイリスト」機能も用意する。ただし、音声合成で実際に話すのは真紅のみ。また、公序良俗に反する単語などは入力できないようになっている。 作成した作品は、ブログやウェブサイトへの配置も可能だ。ただし、YouTubeなどのようにブログ上で直接再生するわけでなく、別ウィンドウでAlice Projectのサイトを表示して再生することになる。
ユーザーが入力した台詞は、NEC中央研究所の音声合成エンジンを使って音声化しているが、台詞によってはイントネーションなどが不自然になる場合がある。そういった場合のために会話の区切り、アクセント、ポーズ(間)、漢字の読み、会話のテンポ(早さ)、ピッチ(音声の高低)の細かい調整が可能となっている。
作成したプレイリストはAlice Project上で公開することができる。公開したプレイリストはAlice Projectの登録ユーザーだけでなく誰でも再生および評価することが可能で、評価が高まると、ユーザーに設定されている「人形師」ランクが上昇し、真紅のアニメーションやプレイリストで利用するほかのキャラクターの画像などの種類が増えていくほか、口調も変更できるようになる。真紅は、いわゆる「ツンデレ」なキャラクター設定となっており、利用開始直後は厳しい口調の「いつもの真紅」しか選べないが、ランクが上がることで「やさしい真紅」の口調での音声合成も可能になるという。
ビッグローブではユーザーが行った合成音声の調整やプレイリストの評価をもとに、音声合成エンジンの精度を高めていくことを狙う。同実験サイトの公開期間は数カ月程度を予定しており、今後ほかのキャラクターで同様のサービスを展開するほか、着信ボイスをはじめとした有料サービスへの転用なども視野に入れる。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」