ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントは12月11日、ウェブブラウザ「Firefox」を提供するMozilla Japanと協力して、環境保護をテーマにしたウェブブラウザ「緑のgoo版 Mozilla Firefox(緑のgoo版 Firefox)」の提供を開始した。
NTTレゾナントでは、ユーザーのウェブ検索で得られた広告収益の15%を環境保護団体に寄付することで、環境問題について考えるという特別企画「緑のgoo」を提供している。8月21日のサービス開始以来、200万回近い利用があり、11月までに環境保護を手がけるNGO「FoE Japan」へ45万円の寄付を行っている。
緑のgoo版 Firefoxはこの企画に連動したウェブブラウザとなる。このブラウザでは自然や環境保護を意識した緑を基調としたデザインを採用するほか、検索プラグインとして、デフォルトで緑のgooを利用するように設定されている。また、緑のgooでどの程度検索を行ったかを表示する「gooの木」のボタンが表示される。
すでにFirefoxをインストールしているユーザーに対しては、拡張機能(アドオン)「緑のgoo」として機能を提供するほか、英語版の「Mozilla Firefox goo Green Label Edition」も提供する。
NTTレゾナントポータル事業本部メディア事業部事業部長の浅田安茂氏は、今回の発表について「非常に『縁』を感じている。Mozillaとの縁もあるが、今日は京都議定書が生まれてちょうど10周年。それに昨日は(元米副大統領のアル・ゴア氏らが受賞した)ノーベル平和賞の受賞式が開催された。環境への危機意識が高まっている中で、少しでも貢献できればと思う」と語る。
NTTレゾナントではその前身であるNTT-Xの時代から環境問題をテーマに扱ったポータルサイトを運営しており、1999年には「環境goo」を開始した。現在、環境gooの利用者は30〜50代のファミリー層を中心にして、年間500万ユーザー、メールマガジン購読者が8万5000ユーザーを誇る。アル・ゴア氏の著書「不都合な真実」に感銘を受けた同社の若手社員が立ち上げたという緑のgooも、「検索をするだけで自然環境に貢献できる」というユーザーが参加しやすい仕組みが受け、200万回弱のクリックが行われている。今回のブラウザ提供により、さらなる利用促進を期待する。
また、Mozilla Japan理事の瀧田佐登子氏はgooの環境への取り組みに対しては、「ブラウザを標準化し、世界中のエンジニアやユーザーと作り上げたFirefoxと近いものがある」と語る。そして、Mozillaのスローガンである「Take back the web(ウェブを取り戻せ)」にかけて「『自然環境を取り戻そう』という取り組みに協力できるということで、Firefoxを提供させてもらうことになった」と経緯を説明した。
さらに、今まで行われてきた自然保護活動について、「1人1人がドネーションをしたとき、目に見えるかたちでどのくらい役に立ったのか知ることができなかった」として、「Firefoxに仕組みを加えることで、目に見えるかたちになった。これから自然問題に対していろいろと取り組んでいけることを期待している」と語った。
NTTレゾナントとMozilla Japanではまず、Firefoxのバージョン2を提供している間、ブラウザのマイナーアップデートにあわせてアドオンをアップデートしていく予定。Firefoxのバージョン3公開後の展開については明らかにしていない。また、今回のブラウザおよびアドオンの目標ユーザー数については「利益的な点よりは自然をどう保護するかにフォーカスしている」(瀧田氏)としながらも、Firefoxの総ダウンロード数である4億以上を目標にしたいと語った。
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