楽天、通信放送融合で新たな動き--国内主要TVメーカーと仮想モールで業務提携

 楽天は10月22日、仮想モール事業で国内主要テレビメーカーなどからなるアクトビラと業務提携すると発表した。

 同日よりテレビ端末向けネットサービス「アクトビラ」のコンテンツに仮想モール「楽天市場」を追加。「テレビ端末での閲覧により、(ネット以外の)利用者層拡大に期待している」としている。

 「アクトビラ」はブロードバンド接続機能を持つデジタルテレビを端末とし、通信回線経由で映像、静止画、文字情報などをテレビ画面上に提供するサービス。2006年7月にシャープ、ソニー、東芝、日立製作所、松下電器産業、ソネットエンタテインメントが6社共同で設立し、2007年2月からサービス提供を開始している。

 「楽天市場」はアクトビラの「ショッピング・ジャンル」に新設。インターネット上で提供する約2万1000店舗1000万件以上のほぼすべての商品をテレビ端末上で閲覧できるようになる。

 大画面・高精細のテレビ端末上で展開されるサービスということもあり、リモコン操作に即した操作性やユーザインターフェイス、デザイン性などに注力。「テレビ用楽天市場」として再構成し、文字入力による検索、ジャンルによる絞込みなど、PCさながらの操作も可能としている。

 一方、テレビ端末上では決済機能を持たないため、利用方法は「閲覧」がメインとなり、実際の購入にあたってはQRコード、メールによるサイトアドレス送信などを通じてPC・携帯電話などに転送、操作する必要がある。今後はテレビ上で購入が完結するシステムの開発も行う予定としている。

楽天側は「テレビ向け第1弾」を評価する姿勢

 楽天では、今回の業務提携およびサービス提供について「サービス接触時間増に向けた取り組みの一環」(執行役員 開発・編成統括本部プロデュース本部副本部長の和田圭氏)と説明。特にPC、モバイル端末などの操作に不慣れな年齢層に対して一定の接触率向上効果が得られるとした。

 サービスは静止画と文字情報のみで、動画による情報提供は取り入れられていない。当面は決済機能を有していないことを含めたこの時期におけるサービス投入の意義においては、「テレビ向けサービス第1弾として意義を持つものであり、今後の展開に向けて活かすこともできる」(和田氏)とした。

 アクトビラ自体の普及状況については「接続ベースで20万台超」(アクドビラ代表取締役副社長の久松龍一郎氏)としており、対応端末についても2011年7月のアナログテレビ放送終了時には全体の7割(約7000万台と推定)に達するとの見通しを示した。

 アクトビラは開始当初、ニュース・天気予報など静止画・文字ベースでの情報サービス「アクトビラ ベーシック」のみを提供していたが、9月より映画・音楽・アニメなどの映像配信サービス「アクトビラ ビデオ」の提供を開始。テレビ端末上でのネット経由サービス拡大を強化している。

rakuten

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