YouTubeは新しいフィルタリングシステムを導入したが、それをもってしてもあらゆる海賊版を排除できるわけではない。しかし、その穴を塞ごうと言う企業がある。
英国企業Web Sheriffは、PrinceやVillage Peopleらの演奏家と契約し、ウェブ海賊から彼らの音楽を守っている。YouTubeが米国時間10月15日にフィルタリングシステムの発表を行った直後、そのWeb Sheriffが新しいサービスに乗り出した。
Googleが所有する巨大ビデオ共有サイトYouTubeは、長らく待たれていたフィルタリング技術を導入した。同サイトにアップロードされたデジタルビデオが海賊版かどうかを自動判定するためだ。
しかし、厄介なことに、「著作物をこのシステムの対象とするには、著作権保有者はあらかじめYouTubeにそのコピーを送らなければならない」
その上、品質の悪い海賊版ほど違法コピーであることを見逃す可能性が高くなるという。
Web Sheriffの社長John Giacobbi氏は、YouTubeの新しいシステムがビデオで使われている曲を識別できるかどうか不明だと言う。同社の顧客であるVillage Peopleがとりわけ気にかけている点だ。
YouTubeは既にAudible Magicの技術を導入していた。Audible Magicは無許可でコピーされた音楽、ビデオ、コンピュータソフトウェアの監視手段を著作権保有者に提供している企業で、MySpaceも同社の製品を導入している。
YouTubeにはアドルフ・ヒットラーの記録映像にVillage Peopleの曲をかぶせたクリップが投稿されており、同バンドは法的措置をとるとYouTubeに警告してきた。ドイツの若者とナチ指導者が登場するこのクリップを巡っては、削除と再投稿が何百回となく繰り返されてきた。
「YouTubeのシステムについては不明な点が多く、ビデオの特性を変えれば検知されなくなることはYouTubeも認めている。YouTubeはこれからも監視していく必要があり、それが当社の仕事だ」とGiacobbi氏は述べている。
Web Sheriffは、ビデオクリップの転送、デジタル指紋の作成、日単位のYouTube対策を顧客に代わって行うサービスにも乗り出すという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」