米上院司法委員会は米国時間10月4日、日頃から「ジャーナリズム」に携わる人々について、特定の例外を除き、連邦裁判において情報源の公開が強制されないとする法案を承認した。この法案は、一部のブロガーも対象にすると思われる。
同委員会は、15対2で、いわゆる「Free Flow of Information Act」の修正案を可決した。なお、反対票を投じたのは、Sam Brownback上院議員(共和党、カンザス州選出)とJon Kyl上院議員(共和党、アリゾナ州選出)であった。
ある種の「記者の特権」は、49の州とコロンビア特別区において、法律や裁判所の判断を通じて既に存在している。今回可決された法案は、保護対象を連邦裁判に拡大し、日常的に「ジャーナリズム」に携わっている人々(もちろん、例外も数多くある)を機密情報の提供や証言の強制から保護する。
法案では、「一般市民に発信するため、地方、国内、国際的事件など、一般市民の関心をひく事象に関するニュース、情報を定期的に収集、準備、写真撮影、記録、記述、編集、報告、公表を行う」行為を「ジャーナリズム」と定義しているため、少なくとも一部のブロガーが保護対象に含まれるのは明白だ。
しかし、このような幅広い定義が、依然として、一部の政治家の懸案になっている。この議論に詳しいある上院議員の補佐官によれば、4日の会合で、上院委員会のDick Durbin氏(民主党、イリノイ州選出)、Dianne Feinstein氏(民主党、カリフォルニア州選出)、John Cornyn氏(共和党、テキサス州選出)の3名は、ブロガーはプロのジャーナリストと同じ行動規範および倫理観に乗っ取っているとは言い難いとして、保護の対象とすることに懸念を表明した。しかしながら、彼らは会合では対案を示さず、法案の主要な提案者と協力して、上院に提出される前に細かな調整を行いたいと述べるにとどまった。
最終案はどのようになるかは不明だが、8月に同様の法案を可決した下院と同じようなアプローチになると思われる。法案の起草者は、記者の特権を、ジャーナリズム活動によって「金銭上の利益または生活の手段」を得ている人々に限定する条件の追加を予定していると述べた(とはいうものの、ブログに広告を貼り付け、特権を主張するのは比較的簡単で、費用もかからないことから、一部の政治家はこの修正を評価しなかった)。
いずれの法案も、法律化は確実とはいえない。ブッシュ政権が長期に渡って反対の姿勢を示していることから、法案が上院に提出された場合、あらたな対立が起こる可能性が高い。司法省は、同法案の文言があまりに広義であるため、国家安全、犯罪調査に支障が出る可能性があると主張している。連邦検事であるPatrick Fitzgerald氏が執筆している「Washinton Post」の10月4日付のコラムでは、同法案によって、ジャーナリストを装うイラクのスパイや、インターネットで情報を交換している児童ポルノ愛好家が図らずも保護されることになると主張している(しかしながら、Fitzgerald氏は、一部の「新聞およびブロガー」は保護対象に値すると考えているようだ)。
4日に承認された上院法案では、司法省の懸念に対応して、ジャーナリストのカテゴリーから既知のテロリストや米国以外の国の機関を除く修正が行われている。しかし、それ以外には、保護対象の範囲を限定する試みはなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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