PLAYSTATION 3(PS3)のネットワークサービス「PLAYSTATION Network」がスタートしてもうすぐ1年。コンシューマーが直接触れる部分のみならず、課金システムの整備などバックエンドにおいてもネットワークシステム開発が進行中だ。
現状のサービス状況と今後の見通しについて、9月26日のゲーム開発者カンファレンス「CESAデベロッパーズカンファレンス 2007」(CEDEC)でソニー・コンピュータエンタテインメント ソフトウェア・プラットフォーム開発本部ネットワークシステム開発部 課長の島田宗毅氏の島田宗毅氏が報告した。
PLAYSTATION Networkが目指すのは、ゲームシステムの総合的なネットワークサービス構築だ。例えば、異なるゲーム間においてそれぞれのアカウントを作成したり、課金手続きをするのはわずらわしいが、これは常にユーザーに付きまとう問題。だがPLAYSTATION Networkでは、アカウントを1度作るだけで、さまざまなゲームアカウントに対応できる。一方、メーカーサイドとしても、わずらわしい部分をPLAYSTATION Networkが引き受けてくれることで、コンテンツ開発に専念できるというメリットがある。
では、PLAYSTATION Networkの現状はどうか。これまで登録されたアカウント総数は270万件以上。データの総ダウンロード量が15000テラバイト。PlayStationなどですでに発売されているゲームをダウンロードして遊べるゲームアーカイブタイトルが100本以上あるという。機能面では、PS3だけでなくPCのブラウザからでも新規のアカウントを作成できるようにした。ウォレット機能の導入により、10円単位から簡単に課金できるように。また、ダウンロードゲーム及びそのデータの追加や新作の体験版、ゲーム内で使用できるアイテム、映像コンテンツを販売・提供するPLAYSTATION Storeを開設したばかりだ。
アプリケーションサービスについては、2007年8月に対戦プレイヤーを引き合わせるマッチングシステムを改良し、収容人数やマッチング精度を向上させた。ただし、マッチングシステム自体がゲームの根幹を成すソフトもあるため、メーカー側が独自のマッチングシステムやサーバを導入することも可能だ。また、ランキングシステムはメーカー側にそのデータをエクスポートして提供することで、メーカーが独自のランキングホームページを展開できるようにしている。
そしてPLAYSTATION Network最大の魅力はアプリケーションパッチングにある。アプリケーションパッチングとはさまざまなソフトに対してパッチを当てるためのサービス機構だ。これはメーカー側がパッチを前提にしたソフトを作っていなくとも、パッチを当ててバグの修正やアイテム、マップなどの追加ができる。そして過去に発売されたソフトにもパッチを当てることまで可能にしている。
気になる今後だが、PC authenticationを目指して開発する予定だという。PC authenticationとはPLAYSTATION Networkのアカウントを使ってパブリッシャーやデベロッパーなどの外部ウェブサイトでもユーザー認証ができるようにする機能のこと。それにより、PCとPS3というハードの垣根を越えたサービスが展開される見込みだ。
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