チームラボは9月3日、不動産情報検索のポータルサイトを公開した。早稲田大学大学院ファイナンス研究科の川口有一郎教授との共同研究の一環として研究目的で公開。同社がシステム構築を担当し、川口研究室が運営する。
不動産情報検索サイト「いえーい」は、検索エンジンとマッチングエンジンによって構成されたポータルサイト。不動産会社から提供された情報ではなくチームラボの独自技術によってインターネット全体から集めた不動産情報を検索用のデータとして提供しており、数100万件の物件をリアルタイムに取り扱っている。
このため、利用者は不動産情報会社が提供するデータと完全に一致しない言葉でも検索できる。例えば住所の一部などあいまいなキーワードや「新宿 渋谷」などの複数の場所のキーワードにも対応し、また、バルコニーなどのキーワードを入力するだけでも、そのキーワードを含む全国の物件を一度に表示するなど。さらに、一部地域では地域情報に関して360度の映像のほか、駅、コンビニエンスストア、学校などの各種施設情報が提供される。
また、検索結果として表示する物件リストと地図の連動や、条件の絞込み、類似物件同士の比較のしやすさなどで一般的な不動産情報サイトとの差別化をはかっている。
チームラボは、独自の言語解析技術を用いたサービス開発を主な事業とする。さまざまな分野で、複数のサイトをクロールして得た情報を解析し、その分野に合った方法でそれらの情報を順位付け、視覚的、直感的に分かりやすいインターフェイスで表示するサービスを提供している。一方、川口研究室は「不動産公開検索所の実験システムに関する研究会」で、不動産情報流通と不動産インデックスのあり方について研究を行っている。
不動産取引については、仲介業者の存在などから透明性が見えにくく、また消費者保護の重要性などが指摘されているという。また、インターネットに対応した不動産情報流通に関する新しい枠組みも求められている。
これらの問題を解決するため、両者は共同で研究を行い、2007年2月には「不動産公開研究所の実験システム」として不動産情報の横断的な検索サイトを試験的に公開していた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」