2007年に入り、SpiralFrogは内部紛争の末、大勢の幹部が離職し、消滅したかのように見えた。
しかし同社は、2006年夏に宣言し話題を呼んだ無償の広告収入型の楽曲提供を開始する準備をついに整えた。同社創設者のJoe Mohen氏は米国時間8月7日、SpiralFrogは一部のユーザーに参加を依頼してこっそりと同サイトのベータ版のテストを実施したことをCNET News.comに明かした。
Mohen氏によると、SpiralFrogはまず70万曲の楽曲を用意し、ビデオダウンロードを提供する初の広告収入型サイトとなるという。同氏は、2007年末までにSpiralFrogの一般向け提供を開始する準備が整うだろうと述べた。
Mohen氏は、「高品質な楽曲を、広告主の支援により、無償でユーザーに提供する」と述べた。「同サイトを利用する主な目的は、新しい音楽を発見することになると思う」(Mohen氏)
SpiralFrogは、違法コピーへの対処方法の1つとして音楽業界に参入した。流れる広告を見てくれる人ならば誰にでも無償で楽曲を提供することとした。ユーザーへのキャッチコピーは、「音楽業界の訴訟やスパイウェアの心配はもういらない」というものであった。
まだサイトは開始しておらず、まだ1円も利益を上げていなかったにもかかわらず、メディアはみなこの話題に飛びついた。
しかしその後SpiralFrogは、サービス提供を12月の開始予定日に間に合わせることができなかった。その直後、最高経営責任者(CEO)であったRobin Kent氏が、Mohen氏など取締役会との対立後、辞任した。Kent氏を支持する幹部らもこれに続き、SpiralFrogの無償楽曲モデルは失敗であったとみなす業界専門家も多くいた。
それから8カ月後、Mohen氏は、同サイトは音楽業界の競争に参入する準備が整ったと述べた。
Mohen氏は、「われわれの競争相手は、違法コピーである」と述べた。「レコード会社やアーティストにとっては、LimeWireなどの不法なサイトに代わる合法的な新しい収入源になる」(Mohen氏)
同社はユーザーに対し、押し付けがましくない方法で広告を提供する予定であるとMohen氏は述べた。ダウンロードには90秒かかり、ユーザーはその間広告を含むさまざまなコンテンツを視聴することになるという。
Mohen氏によると、SpiralFrogのユーザーは、PCまたは「Windows Media」対応のプレーヤーで楽曲を再生できるという。同サイトの楽曲は「iPod」には対応していない。
また、同サイトについて不十分な点として、楽曲ライブラリが比較的小さいことがある。ライセンスに関してSpiralFrogが提携しているのは、6大レコードレーベルではUniversal Music Groupだけである。このため、Apple、Yahoo、Rhapsodyなどの人気音楽サービスが少なくとも200万曲を提供するのに対して、SpiralFrogは70万曲しか提供できない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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