UPDATE 主要検索エンジン各社が、競い合うようにデータ保持ポリシーの変更を急いでいる。その目的は、検索エンジンが消費者の検索データを保持する期間が長すぎるとの懸念を緩和することにある。
間もなく、MicrosoftとYahooの2社がそれぞれの取り組みを発表する。
またMicrosoftとAsk.comは、検索とオンライン広告に関して、消費者のプライバシーを保護するための自主基準を業界全体で策定することを提案している。現在、Googleがオンライン広告最大手企業の買収を計画していることから、今後この動きが加速する可能性がある。
Microsoftは米国時間7月23日に、Internet Protocol(IP)アドレスなど、ウェブ検索に関連するユーザー識別データを18カ月後に永久に消去する計画を発表する。ただし、検索者が希望する場合はそれらの情報の保持期間を延長する。また同社は、今後、検索語をユーザーの個人識別が可能なアカウント情報とは別に保存する。アカウント情報は、Microsoftの検索以外のサービスの一環として収集されており、その中にはユーザーの氏名、メールアドレス、電話番号などが含まれている。
さらに、Microsoftは、同社がサードパーティーのウェブサイト上で提供している行動分析型ターゲット広告をユーザーが停止できるようにすること、また、そのようなターゲット広告に利用されている個人識別子や一意識別子と関連付けられることなく、検索や同社のウェブサイトの閲覧を行えるようにすること、の2点を公約している。
一方、Yahooは、IPアドレスの一部と個人識別が可能なクッキーIDを原則13カ月以内に消去することを確約している。ただし、ユーザーがデータ保持期間の延長を望んだ場合や、法の執行や法的手続きの目的で同社がそれらの情報の保持を要求された場合は例外だ。この件は、同社の広報担当を務めるJim Cullinan氏が明らかにした。
クッキーとは、コンピュータがウェブサイトを再度訪れた際に認識されるようにコンピュータ内に保存される小さなファイルだ。このクッキーにより、各ウェブサイトは、Eコマースやログインが必要なサイトなどのためのユーザー設定の記憶が可能になる。
今回のMicrosoftとYahooのデータ保持ポリシー変更の前には、AskとGoogleがそれぞれのデータ保持ポリシーの変更を発表している。まずAskは19日、今後、匿名による検索を可能にし、検索者が望まない場合はウェブ検索の履歴を一切保持しないと発表した。また、検索者はAskEraserと呼ばれる新ツールを使って設定が変更できる。同ツールはAskのサーバ上に常備され、すべての主要OSに対応する。またAskは、匿名を希望しないユーザーのために検索ログデータを18カ月間保持すること、検索語とIPアドレスを分離すること、の2点も発表した。
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