海賊版コミュニティーに映画を評価させるとすれば、Michael Moore監督の「Sicko」は間違いなくヒット作品である。
医療業界に関する同ドキュメンタリー映画の公開予定日、不法コピー版は相変わらずウェブ上に流れていた。2週間前これらのコピーがThe PirateBay、YouTube、Google Videoに投稿された際には、不法ダウンロードは勢いを増していた。
2週間前にはたった数百人だったのが、その後何万人にも膨れ上がった。torrent検索エンジン「Mininova」「TorrentReactor.net」「The PirateBay」「Isohunt and Torrentz」の米国時間6月22日の調査結果から、その日1日で何千もの人々が同映画をダウンロードしたことがわかった(統計結果を得る方法を教えてくれたRichardに感謝する)。
同映画は削除されるまでの数日間、Google Videoに一時的に復活していたとする未確認の報告もあった。
Weinstein Co.は同映画の流出に関与した人物を告発すると公式に発表したが、論争が巻き起こったおかげで同映画はかなりのメディアの注目を浴びた。
Sethという名前のCNET News.comの読者は、ファイル共有者はトレンドセッター集団であるということをハリウッドは忘れてはならないと主張していた。同氏は、ファイル共有者は良い映画をダウンロードした場合、水面下の宣伝活動要員となり、友人らにこれを広めていくということがよくあると述べた。
Sethは、「これは多大な利益につながるし、無償の宣伝活動である」と記した。「最終的には誰もが映画をダウンロードすることになるだろう。そのころには大手映画会社が、この新しい映画視聴方法から利益を得る方法を考案できるようになっていればよい」(Seth)
ファイル共有コミュニティは、他の映画に比べてSickoなら共有してもよいと思っているかもしれない。3年前のインタビューでMoore監督は、著作権法には賛同しないし、ただ自分の映画を人々に観てもらいたいだけだと述べ、ファイル共有への支持を表明していた。どのように視聴したかなど同監督は気にしていなかった(裁判所で再生すれば、このインタビュー内容が正当な弁護にはならないだろうか)。
しかし最近では、Moore監督も著作権侵害者らへの支持は控えめだ。
同監督は先週、このファイル共有の原因となったDVD版を配布に関与した人物によって、自分の映画の価値が明らかに損なわれようとしていると記者らに対して考えを述べた。Moore監督またはWeinstein Co.へのインタビュー依頼に対し、Weinstein Co.からの回答は得られていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力