Googleの最高経営責任者(CEO)であるEric Schmidt氏は、同社が成長を継続するためにはアプリケーションやサービスを法人顧客に提供することが重要な戦略になっていくということを認めた。
Schmidt氏は米国時間6月19日、パリで開催の報道陣向けイベントで講演を行い、従来メディアから、これまで同社の成長を支えてきたニューメディアへと向かう広告販売の流れが頭打ちになり始めたら、Googleはその驚異的な成長率をどのように維持していくつもりなのか、との質問を受けた。同氏はこれに応じ、「小規模企業や大学が販売やインフラの面でわれわれの持つ力を利用するにつれて、Googleとって大きなビジネスになる可能性が高い」と語った。
Googleが今日の地位を築いたのは検索を筆頭にマスマーケット向けのアプリケーションを開発してきたためだが、この2年の間は、「Google Search Appliance」「Google Mini」、先ごろ登場した「Google Apps Premier Edition」など、より企業向けのアプリケーションやデバイスに重点的に取り組み始めている。
しかしSchmidt氏は、潜在顧客として企業に関心を向け始めていることは認めている一方で、同社がMicrosoftと対決しようとしているとする見方は強く否定した。同氏は、「常々それはないと言っているが、だれも信じない。われわれは彼らを競争相手として位置づけていない。彼らとはパラダイムが共通なのだ」と語っている。
Schmidt氏は、欧州各地から集まった120人以上のジャーナリストと広範にわたる質疑応答を行い、YahooのCEOであるTerry Semel氏辞任に対する意見をはじめ、さまざまな分野の質問を受けた。Schmidt氏は「Terryと私は同じ時期にキャリアをスタートさせ、とても親しくなった。彼は本当に素晴らしい仕事をしたし、Yahoo関係者はきっと彼を惜しむはずだ」と語った。
Semel氏はドットコムバブル崩壊後の2001年に、Warnerの共同CEOとして得た従来メディアに関する専門知識を持ってYahooに入社した。しかし、新プロジェクトに大金を投じてもYahooがGoogleに追いつくことができず、Semel氏は、18日に辞任を発表した。
Schmidt氏は、Semel氏を引き継ぐYahooの共同創業者Jerry Yang氏へのアドバイスも求められ、「Jerryに対して一言だけいうとすれば、彼は非常に頭の切れる人物だ」とだけ述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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