オーバーチュアは6月20日、同社のパートナー戦略およびモバイル広告に関する説明会を開催した。
オーバーチュアの検索連動型広告プラットフォームは、ヤフーをはじめとしてmsn、exciteといったポータルサイトをパートナーに抱えており、日本で約65%のシェアを持っているという。同社ビジネスデベロップメント シニアディレクターの天畠秀隆氏は、「アメリカ、ヨーロッパとはまったく違う状況になっている。日本で最大の広告基盤を確立できている」と述べる。
また2位のGoogleを引き離している現状については、「Googleは検索窓に広告サービスを持っているが、オーバーチュアは媒体を持たないため、パートナーと競合することがない」と分析している。
ただ、GoogleはKDDIと提携しており、モバイルでは逆に差をつけられている。オーバーチュアはこれに対抗してソフトバンクモバイルをパートナーに加えたものの、今後もモバイル市場はチャレンジすべき分野だとしている。
さらに順調に伸びているかに見える検索連動型広告市場も、成長にかげりがあるという。オーバーチュアでは新しいマーケット、サービスモデルの開拓が必須であるという認識で、今後はキオスク端末や車といったリアルマーケット、そしてCGM・コミュニティサイトに進出していきたい考えだ。
一方でオーバーチュアは現在、ヤフーの100%子会社となるべく調整中だ。ヤフーがオーバーチュアの全株式を米Yahooから取得し、共同でサーチエンジンマーケティングでのシェア拡大を狙う。グループ戦略上、「これをチャンスとして捉えている」と天畠氏は語る。
「これまでヤフーはどちらかというと自分さえ勝てばいいという発想だった。しかし、それでは多くのインターネットユーザーに利用してもらえないことに気づいた。具体的にはヤフーのサービスをオープン化し、ソーシャルメディアとして展開していく」(天畠氏)
ヤフーはこの方針に沿って、各パートナーサイトにトラフィックを流し、共同で広告・課金ビジネスを展開して収益をシェアするモデルを構築するという。
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