YouTubeからMichael Moore監督の未公開映画「Sicko」の海賊版が削除されたが、その姉妹サイト「Google Video」にはしばらく削除要請が通達されていなかったようだ。
米国時間6月18日午前10時15分時点では、Google Videoにおいて、近日公開予定のMichael Moore監督のドキュメンタリー映画全編が視聴可能だったうえ、ダウンロードもできるようになっていた。これは、サイト上のほとんどのビデオが10分未満に制限されているYouTubeとは対照的である。Google Videoにはそのような制約はない。
その後、太平洋標準時間午前11時30分時点に確認すると、Google VideoからもSickoが削除されていた。
先週、医療業界を風刺したMoore監督の同映画の海賊版がYouTubeに投稿された。YouTubeは、2006年10月にGoogleが買収したビデオ共有企業である。Wall Street Journalは18日、同映画の配給元であるLionsgateの削除要請に応じ、YouTubeがビデオクリップを削除したと報じた。
ハリウッド業界はGoogleに対し、ユーザーが著作権保護されたクリップを投稿しないようにフィルタリングシステムを採用するよう、強く要請し続けている。最近、映画制作会社幹部らは、Googleが故意に対応を遅らせているとして非難した。多くの映画制作会社が、テレビ番組や映画のクリップを掲載すればサイトへの訪問者数が増加することを指摘しており、エンターテインメント業界では、Googleはこれらのクリップの投稿の防止には気が進まないのではないかとささやかれている。
Googleは最近、フィルタリングシステムのテスト開始に向けて準備中であると述べたが、映画制作会社幹部らは、同社はそのような約束をもう6カ月以上も繰り返していると述べている。
同映画を制作したThe Weinstein Companyは声明で、同社は「われわれの映画を守るために積極的に対応している」と述べた。論争を巻き起こした「華氏911(原題:Fahrenheit 9/11)」を制作したMoore監督は、この最新作品では、米国の医療問題に関し保険会社を批判している。
独立系監視団体であるThe National Legal and Policy Centerは、Googleのビデオサイトの著作権侵害に関する調査を開始しており、同団体職員は、Google Videoに125件以上もの映画やテレビ番組の全編版を発見している。Sickoの海賊版も発見されており、それが6月16日に投稿され、706回視聴されたこともわかっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス