UPDATE aQuantiveとはどういった企業か。大半の消費者は、Microsoftが同社史上最高額を投じて買収した同社の名前さえこれまで聞いたこともないかもしれない。
しかし、同社はオンライン広告業界では有名な企業で、Microsoftがコストを度外視して切望していた広告配信技術をいくつか提供できると、業界の一部専門家は語っている。
Microsoftは米国時間5月18日午前に、aQuantiveを買収することを明らかにし、60億ドルという買収額で多くの観測筋を驚かせた。この額は、同社がこれまで買収してきたほかの企業各社の3倍であり、aQuantive株の17日の終値に対して85%のプレミアムがついた価格である。また、Googleが4月にDoubleClickを買収することで合意した金額の2倍にあたる。aQuantive株は買収発表後におよそ80%上昇した。
以前はMerrill Lynchで合併買収を担当しており、現在はFoundation CapitalのゼネラルパートナーであるCharles Moldow氏は、「かなりのプレミアムだ。既存の(広告)トラフィックを補い、これらの機能を市場に投入できると考えた彼らが、それを手早く実現する方法はこれしかない、と考えたのかもしれない。ほかに急ぐ理由は見あたらない」と述べた。
エンターテインメントや情報入手を目的にウェブを利用する人が増えるなか、収益性が高く、成長が継続する見通しのこのオンライン広告市場で企業各社がシェア拡大を目指し、ここ最近この業界で買収が次々に行われてきた。GoogleがDoubleClickを買収すると発表し、その後にYahooもネット広告取引所のRight Mediaを6億8000万ドルで買収すると発表している。先週に入ってからは、WPP Groupが広告配信会社の24/7 Real Mediaを6億4900万ドルで買収する計画を発表した。Microsoftも、24/7 Real Mediaと買収交渉を行っているとうわさされていた。
Moldow氏は、「稀少価値があることは明らかだ。独立企業として最後に生き残ることがよい場合もある」と語っている。
Outlook VenturesのマネージングディレクターであるRandy Haykin氏によると、MicrosoftによるaQuantiveの買収は、AOLが3年前にオンライン広告ネットワークのAdvertising.comを4億3500万ドルで買収して始まった合併統合の波に対する「防衛策」だという。
同氏は、「検索/ポータル企業と広告ネットワークの間でこのような『垂直的合併』が発生することは、数年前はだれにも想像できなかった。Googleによる広告市場の独占がこの一連の流れを生み出したのだと思う」と語っている。
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