■ユーチューブ問題 違法投稿削除の技術開発中
米検索エンジン最大手のグーグルは、急成長するネット広告事業や独創的なウェブサービスで世界的に注目を集めている。日本法人の村上憲郎社長に日本での事業展開を聞いた。(黒川信雄)
−−グーグルの世界展開における日本法人の役割は
「各国のオペレーションはあるが、サービスは国別より言語別という位置づけで提供している。そのため、日本法人は日本語サービスを提供し、その状況を米本社にフィードバックするのが役目だ。現在、日本での主要事業は検索技術を提供しているネット関連企業へのサポートとネット広告事業。いずれも関連企業との関係が重要だととらえている」
−−ネット広告事業はパソコン経由と携帯電話経由のどちらが中心なのか
「割合などの数字はコメントできない。ただ携帯経由の収益の伸びは著しい。日本ではKDDIとの事業提携でau携帯端末に検索エンジンを提供しているが、携帯経由のネット事業は検索エンジンの利用、広告収入ともに極めて好調だ。このサービスの特徴のひとつはパソコン向けサイトなどもシームレスに検索できること。他の携帯電話事業者に対しても、同様の仕組みを開発したいと提案している」
−−グーグルが得意とするネット向けの検索連動型広告は他の検索エンジン企業も強化しつつある。差別化をどう図る
「広告主が効果的に広告を出稿できる体制を強化する。具体的には、検索エンジンを利用した際、広告表示の決め手となるキーワードの登録を自動的かつ大量に行えるようなサービスを提供する計画だ」
−−米グーグルはネット広告大手ダブルクリックを買収することで合意した。日本法人も買収する意向か
「米国の本社間で基本合意に達したに過ぎない。現状で具体的な話はない」
−−米グーグル子会社のユーチューブの著作権侵害問題が指摘されている
「著作権保持者に(著作権がある動画の違法投稿で)迷惑をかけているのは事実だ。現在われわれは、一度違法と指摘されたコンテンツ(情報の内容)が部分的でもユーチューブに投稿された場合、音声識別などで自動的にそれを削除する技術開発を急いでいる。一方、ユーチューブは日本でのビジネス展開も考えており、グーグルが窓口となりテレビ局やレコード会社などとの話し合いを行っている」
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【プロフィル】村上憲郎
むらかみ・のりお 京大卒。1997年ノーザン・テレコム・ジャパン社長。ドーセント・ジャパン社長などを経て2003年4月からグーグル社長。60歳。
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