UPDATE ここ数年、インターネットトラフィック測定の大手2社であるcomScoreとNielsen//NetRatingsが視聴率を過少報告しているとの不満が噴出している問題で、Interactive Advertising Bureau(IAB)は両社に監査を受けるよう求めている。
IABは、300社以上の新興メディア広告企業を代表する業界団体だ。IABによると、同団体は、comScoreとNielsen//NetRatingsが出したインターネットトラフィックと、IABの加盟企業が自社のサーバログからはじき出したトラフィックとの間に明確な食い違いを発見したという。またIABは、comScoreの出した数字とNielsenの数字にも相違があることを発見した。同団体は、透明性の欠如と時代遅れの測定方法が問題だと指摘している。IABは、問題の調査会社2社に、Media Rating Council(MRC)による統計的測定プロセスの監査を受けさせたい考えだ。
ここ数年、複数のウェブサイトからcomScoreとNielsenがトラフィックを過少報告しているとの不満の声が上がっていた。調査会社から報告されるトラフィックが低ければ、その分ウェブサイトが受け取る広告料が減るためだ。
IABの最高経営責任者(CEO)であるRandall Rothenberg氏は、米国時間4月20日にcomScoreとNielsenに宛てた書簡の中で、「今後の消費者マーケティングを左右する多種多様な人々の人数を過少計算したり、見落とす可能性のある(調査)パネル(を使った調査手法)に固執すれば、マーケッターたちから、事業構築に必要な将来を見通す洞察力が奪われることになる」と述べている。
この件について、Nielsen//NetRatingsのCEO兼プレジデントであるWilliam Pulver氏は23日午後、同書簡に対し、「NetRatingsは、デジタルマーケット全体への説明責任を果たすべきだというIABと、熱意を分かち合いたいと考えている」と述べ、IABとの会合を望んでいることを示した。Pulver氏によると、Nielsen//NetRatingsでは、 MRCのResearch Committeeによるプレ監査を済ませており、「MRC Research Committeeと共同開発した正式なResearch Planに基づき、調査している」という。
comScoreも23日、監査に応じる意向を示した。同社は23日に発表した声明の中で、「(IABからの)公開書簡に書かれている、われわれのパネルを使った調査手法の透明性を実現するという目的は歓迎だ。そのために、われわれは半年前から、調査手法を対象とした監査の一環としてMRCとの連携を開始している。そして、われわれは今後もその取り組みを継続するつもりだ」と述べ、さらに次のように続けた。「また、現在、米国広告調査財団(ARF)によるわれわれの調査手法の評価が最終段階にあるが、われわれは、自分たちの調査手法が第三者評価の精査にも耐え得ると自信を持っている」
IABのシニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのSheryl Draizen氏は、IABがMRCによる監査に関してcomScoreと話し合ってきたことを認めた。
Draizen氏によると、IABが書簡を送付したのは何か1つの出来事がきっかけとなったわけではなく、Nielsenの統計とcomScoreの統計の間の相違に関する報道が相次いでいたためだという。「この問題については、ここ2〜3カ月間に多くの新聞や雑誌でかなり頻繁に取り上げられていた」(同氏)
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