リンクシェア・ジャパンは4月17日、2007年度事業戦略説明会を開催した。同社代表取締役社長の花崎茂晴氏がアフィリエイト業界の現状と今後について語った。
花崎氏によると、アフィリエイト市場のトレンドはテレビ通販だという。テレビ通販のアフィリエイト広告は単にリンクを掲載するだけでなく、商品に関する動画を閲覧することができる点が特徴。リンク先の広告主サイトでも同じ動画を閲覧できるため、購買につながる確率も高いという。
リンクシェアが発表した「LinkShare Award 2006」では、新人賞にジャパネットたかた、最優秀ECサイトにショップチャネルが選ばれたが、どちらもテレビ通販型アフィリエイトである。
その勢いはカテゴリ別の成長率を見ても明らかで、2005年〜2006年ではテレビ通販が100%を超える成長率となった。
一方で従来からアフィリエイト広告に積極的だったクレジットカード・金融業界、PC業界などは辛うじてプラス成長を達成したレベルだ。特に金融業界については、「いくら個人のブロガーがローンの宣伝をしても、それは広告の域を出ないし、なかなかクリックされない。ある意味、検索連動型広告のビッグワードと同じ発想」(花崎氏)と、効果についても疑問符がつく。
また、Goolgeが検索ロジックを変更したことで、アフィリエイトリンクのみを集めたサイトは概ね掲載順位を下げた。これにより、今後は企業とアフィリエイトサイトの距離がより近くなると花崎氏は見ている。広告主は単なる売り上げよりも、新規顧客率や購買誘起率といった付加価値を重視するようになり、そのような価値を生み出す“コンテンツの力”に応じて各サイトに報酬を配分することもあり得るとしている。
コンテンツ面が重視される一方で、アフィリエイトリンク生成などの補助的な作業にはテクノロジーを活用していくのがリンクシェアの考えだ。同社は今春より、「リンクシェア・ツールバー」、「クロスオーバー・サーチ」などの新サービスを順次提供することを発表した。
リンクシェア・ツールバーは、アフィリエイトリンク付の商品検索を管理画面にログインせずに行えるもの。クロスオーバー・サーチは、提携ECサイトの商品情報を一括検索できるAPIだ。リンクシェアは、これらの新機能を提供することでアフィリエイトパートナー1人当たりの平均成果額を10〜20%程度向上させることを目指す。
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