オリコン、API公開しアマゾンと連携--Web 2.0化の波に追随

 オリコンは2月20日、自社で所有する音楽CDランキングおよびDVDランキング情報のAPIを公開すると発表した。大手ECサイトのアマゾン・ジャパンと業務提携し、2007年4月からサービスを開始する。APIを外部提供することで自社サイトへのアクセス数を増加させるとともに、アマゾンへの送客によるアフェリエイト広告収入を確保する狙い。

 APIが公開されるのは、同社が2006年9月に開始したエステティックサロンや人材派遣などの顧客満足度をランキング化した「CS(顧客満足度)ランキング」のほか、音楽CDシングルおよびアルバムの各デイリートップ5とウィークリィTOP10、DVD販売ランキングなど。加えて、アーティストの略名などからでも過去に発売した作品一覧、関連ニュースなどを表示できる独自の検索エンジン「アーティスト検索」についてもAPIが公開される。

画像の説明 オリコン・グループCEO兼社長の小池恒氏と副社長執行役員兼COOの平井陽一郎氏

 これに伴い、外部サイトでオリコンランキングを見たユーザーは、ランキング内の楽曲横に配置される「購入」ボタンを押すと、アマゾンでの商品購入までスムーズに進むことができるシステムを整えた。オリコンのサービス経由でアマゾンで商品購入されれば、オリコンに報酬金が支払われるという仕組み。

 オリコンが所有するランキング情報はこれまで、有料提供のみだった。ここにきて外部使用が制限されていた音楽・DVDランキングのAPIを公開することについて、オリコン社長の小池恒氏は「(自社サイトへのアクセス導線多様化など)無料公開することのメリットが有料提供を上回ると判断した」と説明。ただ、無料公開する一部の情報(デイリーTOP5、ウィークリーTOP10など)以外の情報については、これまで通り有料提供とし、「今回提案するシステムを選択するメリットは大きく、多くの外部サイトで採用してもらえる」(小池氏)と一部でも無料公開することのメリットが大きいとの考えを示した。

 一方、オリコンの最大の武器である「ランキング」そのものの充実において、他社が公開するAPIを積極的に取り入れていく方針を掲げている。アマゾンやヤフーショッピング、大手比較サイトなどで公開されるAPIを取り込むことで、コンテンツ拡充とメディア力強化を推進。一層の自社サイト活性化を図る。

 オリコンのウェブサイトは2006年4月から2007年1月までに倍増以上のペースで訪問者数が増加しているとしており(ネットレイティングス・サイトセンサス調べ)、2007年3月には単月で1000万人超の訪問者を目標として掲げている。

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