Microsoftが、一度料金を支払うだけで市販コンテンツを複数のデバイスで利用できる、新しいデジタル著作権管理(DRM)システムを披露した。
Microsoftがスペインのバルセロナで開催中の「3GSM World Congress」で米国時間2月12日に公開したのは、DRMシステムの「Microsoft PlayReady」。この技術を利用することで、著作権で保護されたコンテンツを携帯電話やPCなどの各種デバイス間で共有できるようになる。
Microsoftでコンテンツアクセスとその保護を担当するゼネラルマネージャーChadd Knowlton氏は、PlayReadyが「ドメイン」と呼ばれる考え方をベースにしていると説明する。ユーザーはまず、自分のドメインに複数のデバイスを登録する。次に、PlayReadyに登録した携帯電話事業者やインターネットサービスプロバイダー、放送局からコンテンツを購入する。このコンテンツは自分のドメインに登録されたほかのデバイスへと転送することが可能だ。またユーザーは(デバイスにコンテンツを転送するのでなく)、デバイスごとにコンテンツをダウンロードすることもできる。
Knowlton氏は、家族が複数の携帯電話を1つのドメインに登録するという使い方を紹介した。だが、1つのドメインに何台までデバイスを登録できるのかは、明らかにされていない。
Knowlton氏は、「PlayReadyはWindows Mobile 6に組み込まれているわけではない。プラットフォームを選ばず、どんなシステムでも使うことができる」と述べる。Windows Mobile 6は、米国時間12日に発売されたMicrosoftの新OS。
Knowlton氏は、Windows Mobile最大のライバルであるSymbianの携帯電話でもPlayReadyは使えるのかという質問に対し「ユーザーが希望するものなら何にでも使える」と回答した。
DRM技術はコンテンツ制作者からの支持が高いが、その一方で各所から批判も出ている。ソニーは一部の音楽CDに搭載されたコンテンツ保護のような機能を、rootkitツールを使って隠したため、非難の的となった。また、米国時間6日には、Appleの最高経営責任者(CEO)Steve Jobs氏が音楽業界に対してDRMの放棄を呼びかけている。
Knowlton氏は、PlayReadyが「基盤技術」であり、当面は表立った機能として喧伝されることにはならないだろうと述べる。
Verizon、Telefonica、O2などと提携するなど、MicrosoftはPlayReady技術で既に業界の支持を集めている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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