富士経済は2月2日、電子商取引(EC)を含む通信販売市場について最近の調査結果をまとめた。それによると2006年の通販市場規模は4兆4130億円の見込みで、2008年には22%増の5兆3916億円に達するという。
2006年の通販市場の内訳は、物販が3兆8135億円、サービス/デジタルコンテンツが5995億円となった。
物販市場はPC/携帯電話向けECサイトへの新規参入が相次いだことで拡大した。PC向け市場の規模は1兆5171億円。実店舗からの需要移行で実績を上げたほか、これまで主力だったカタログ通販からコスト削減を目的としてECサイトへの移行が進んだ。
PC向けでは30〜50代の利用が定着している一方、携帯電話向けは20〜30代を中心に浸透している。携帯電話向け市場の規模は1837億円で、物販市場全体に占める割合は約5%だが、今後大幅に比重が増すとみられる。テレビ通販は3395億円。ジャパネットたかなどの専門放送局により市場が活性化し、大手を中心に拡大を続けた。
サービス/デジタルコンテンツ市場は、従来からの主力であるチケット販売の堅調な推移に加え、音楽/映像配信の市場規模が2482億円と急成長した。第3世代携帯電話の普及に伴い、国内音楽業界がインターネット配信を積極化しつつあほか、アップルコンピュータの「iTunes Music Store(現iTunes Store)」が市場拡大に寄与した。通信回線の高速化に伴い、映像のストリーミング配信を行う企業も増加した。
調査方法は、通販事業者への聞き取りと各種公表資料の分析。2006年10月〜12月に実施した。
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