楽天は1月17日、仮想モールなど同社サービスに関するAPIの公開を開始した。楽天グループにおける2007年の重点施策としており、外部サイトからの集客数を増加させ、主力の通販売り上げを拡大したい考え。
新サービス「楽天ウェブサービス」(ベータ版)はまず、「商品検索」「商品ジャンル検索」「商品コード検索」「書籍検索」──の4つのAPIを公開する。DVD、CD、トラベルの商品情報や家電製品のカタログ情報などのAPIについても、2007年3月をメドに公開。マルチデバイス対応や業務システム連携などへも順次、サービスを拡大する。
これにより外部サイトは自社サイトのコンテンツに連動した楽天のコンテンツを表示する機能などが開発できるようになる。例えば、「カップラーメン」に関する商品情報を掲載するサイトに、楽天で販売している同商品が表示されるようになるというイメージ。外部サイトは自社サイトのユーザーを楽天に送客することで、商品購入が発生すれば報酬を得られるという仕組みだ。
楽天はAPIを公開することで、仮想モールなどの取扱総額が増加すると見ているが、大きな成果を得るには効果的な利用者の拡大施策と品質向上の実現がカギを握る。
利用者の拡大においてはまず、楽天のアフィリエイトサービスを利用する法人を中心に開拓する。法人の中には独自の指標でコンテンツに関連するキーワードやコンテンツを表示させている企業もあるため、各社の要望の収集と反映が重要となる。
品質向上においては、商品ジャンルによってコンテンツとの適合性が大きくぶれるのが現状。書籍や家電製品など商品コードやカタログが存在する商品ジャンルについては今後の品質向上が見込めるが、衣類や産直品などについては「コンテンツとの適合性を向上するには限界がありそうだ」(テスト段階の楽天API利用者)との声もある。
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