仮想世界「Second Life」の不動産王Anshe ChungがCGで作られた空飛ぶ男性性器の群れに襲われる映像について、デジタルミレニアム著作権法(Digital Millennium Copyright Act:DMCA)に基づいたYouTubeへの削除要求は間違いであり、取り下げられたと同氏の夫が明らかにした。
Anshe Chungというキャラクターを作成したAilin Graef氏の夫Guntram Graef氏はCNET News.comのインタビューに対し、問題の映像が、不快かつ同氏の妻に対する性的攻撃であるという考えは変わらないものの、著作権侵害にはあたらないため、DMCAに基づく申し立ては不適切である、という理解に至ったと説明した。
同氏は「本当に問題なのは著作権などではない。そのため、今回の申し立てについては後悔している。このことは明確にしておきたい」と述べた。
2006年12月にCNET News.comのSecond Lifeシアターで行われたAnshe Chungのインタビュー映像の転用について、DMCAに基づく申し立てとYouTubeによる映像取り下げ決定が、自由言論擁護者から法律の乱用であると非難されていた。法律家は、問題の映像や、Sydney Morning HeraldやテックカルチャーブログBoing Boingが掲載した同映像のスクリーンショットは、利用上問題はないとした。
Graef氏は「この申し立てを検閲であると誤解する人たちがいるとは思わなかった。だが、そのような意図は決してない」と説明する。
同氏によると、すべての関係者と話し合う努力をしたが、どうしようもなくなり、DMCAに基づいた申し立てに打って出るしかないという気持ちになったのだという。
映像の不快さについて、自分の言い分をYouTubeに訴える手段が他に見つからなかったことも、一因であるという。Graef氏は、YouTubeが同氏に与えた唯一の選択肢が申し立てだったと主張する。
同氏は「映像の悪らつさや不適切さを、彼らに知らせる方法を探した。即座に実行可能な手段は、申し立てしかなかった」という。
YouTubeは現在、映像削除理由を変更している。問題の映像へのリンクを辿ると、同映像が「terms of service violation(利用規約違反)」のため現在は削除されているという表示が出る。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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