マイクロソフトは12月11日、主にシステム管理部門を自社内に持てない小規模企業のユーザーなどを対象として、独自ドメインによるメールやウェブスペースなどを無償で提供するインターネットサービス「Microsoft Office Live日本語版ベータ」の提供を開始した。
「Office Live」は、「Windows Live」「Xbox Live」と並んで、同社のオンライン戦略の要に位置づけられるサービスのひとつ。米国では11月中旬にベータを終え、すでに正式なサービスが開始されている。
Office Live日本語版ベータには、利用できる機能や容量に応じた「Basics」「Essentials」「Premium」の3つのラインアップが用意されているが、ベータ期間中はいずれも無償で利用できる。2007年第2四半期に予定されている正式提供の開始後は、Basicsのみが無償で提供され、Essentials、Premiumについては月額単位の有償提供となる。なお、米国ではEssentialsが19.95ドル/月、Premiumが39.95ドル/月の価格設定となっており、日本語版の価格は追って発表される。
無償版のOffice Live Basicsでは、com、net、orgによる独自ドメイン(jpドメインは6800円/年のオプションで提供予定)と25のメールアカウント(1アカウントあたり容量2Gバイト)、500Mバイトのウェブサイトスペース、トラフィックレポートツール、128ビットの共有SSL、データバックアップ、オンラインサポートなどが提供される。
Essentialsでは容量の増加した各基本機能に加え、グループワークを行うための500Mバイトの専用ワークスペース、ファイル共有ツール、連絡先管理ツールが利用できる。Premiumでは、さらなる基本容量の増加に加え、プロジェクト管理ツールやグループウェア機能、各種テンプレートなどが追加される。EssentialsやPremiumにおいては、Officeファミリーとして提供されている「SharePoint Services」や「GroupBoard Workspace」の機能をホスティングで利用するようなイメージとなる。
Basicsから利用できる独自ドメインについては、取得、更新に関するすべての費用をマイクロソフト側が負担するという。また、EssentialsやPremiumの月額利用料も、米国にならえば、最終的にはかなり安価に設定されるはずだ。同社では、月額課金モデルと、Liveサービス内に配信される広告モデルとの組み合わせによって得られる収益にて、Office Liveサービスの維持が可能だと説明している。
ベータ版開始の発表会において、マイクロソフト、インフォメーションワーカービジネス本部本部長の横井伸好氏は、「小規模ビジネスの業務を支援する、少ない投資ですぐに使えるインターネット上のオールインワンサービス」とOffice Liveを紹介。「マイクロソフトでは、“Software as a Service(SaaS)”よりも“Software plus Service”のモデルのほうがユーザーに受け入れられやすいと考えている」とし、Office Liveが、個々のOfficeアプリケーションをオンラインで提供するものではなく、デスクトップのアプリケーションをネット上のサービスと組み合わせ、補完し合うものである点を改めて強調した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」