Googleの幹部の1人は、携帯電話会社は加入者がインターネットアプリケーションにアクセスするのを妨げようとしている、と批判した。
Googleのスペシャルイニシアチブズ責任者であるChris Sacca氏によると、携帯電話会社がGoogleに対して、「Google Maps for Mobile」にユーザーをアクセスさせないよう申し入れてきたという。
Google Maps for Mobileは、携帯電話にアプリケーションをダウンロードしてインタラクティブな地図や衛星写真を表示し、その地域の検索結果や企業情報を得られるようにするサービスだ。また、ユーザーが選んだ目的地への経路も詳細に知ることができる。
Sacca氏はオックスフォード大学のサイードビジネススクールで現地時間11月20日に開催されたイベント「Silicon Valley Comes To Oxford」で、「携帯電話会社数社から『顧客がこういうものをダウンロードできないようにしてくれ』という趣旨の文書を受け取った」と語った。
パネリストとして登場したSacca氏は次のように述べた。「彼ら(携帯電話会社)は、あなたたちが欲しがっているアプリケーションとあなたたちの間に立ちはだかろうとしている。これは、非常に恐ろしい結果を招くと思う」
同氏はまた、インターネットへの無制限アクセスを謳いながら、実際にはVoIPやストリーミングビデオのようなアプリケーションの使用を禁じている携帯電話会社を批判した。
Sacca氏のほかにも何人かのIT企業家が、携帯電話業界は大きな問題に直面しており、いつまでもユーザーを厳しい管理下に置いておくことはできない、と警告した。
Facebookでストラテジー担当バイスプレジデントを務めるMatt Cohler氏によれば、携帯電話会社が直面している最大の問題は、「IPがまだ手を出していない方面に進出してきたら」どうするかだという。
LinkedInの最高経営責任者(CEO)Reid Hoffman氏はさらに批判的だ。
「一般IPや開放型プロトコルが携帯電話を取り込むのは必然で、そうなるのも時間の問題に過ぎないと思う。『ダムがいよいよ決壊しかかっているのに、そのままそこに立ちつくしているつもりかい?』という感じだ」と、Hoffman氏はイベントの参加者に語りかけ、「シリコンバレーでは多くの人が『どうやったらダムの決壊を早められるだろう?』と画策していると思う」とも付け加えた。
11月に入って、Hutchison Whampoaのモバイル事業ブランド「3」が定額制の携帯向けブロードバンドサービスを開始した。これは、顧客を囲い込み、事業者が承認したサイト以外には勝手にアクセスさせないようにしている状態をずっと続けるわけにはいかないと、携帯電話業界が気づいたことの表れだとアナリストたちは考えている。
ところが、VodafoneのコーポレートストラテジーディレクターBobby Rao氏は22日、VoIPは携帯電話業界にとって大きな脅威ではないと発言した。
Rao氏はジャーナリストやアナリストに対し、「VoIPはサービスではない。たった1つのこと--つまり安価な通話--を可能にする技術だ。安価な通話を提供することなら、わが社でも値下げによって可能だ」と語った。「顧客に安価な通話プランを提供するには、そのまま安価な通話プランを提供する方法がいちばんいいと思う。顧客が求めているのはVoIPではない」
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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