スペインの新興企業FONは米国時間10月27日、「Freedom Friday」と同社が呼ぶイベントをサンフランシスコのユニオンスクエアで同日正午に開催し、ブロードバンド加入者がインターネット接続を地域全域でWi-Fiユーザーと共有することを可能とするWi-Fiルータを無料で提供した。
フィラデルフィア、ニューオーリンズ、サンフランシスコなどの大都市が市内ならどこででも利用できるWi-Fi網を提供する計画を発表したことから、市が独自に、または民間企業との提携により構築し管理する市内Wi-Fiネットワークがここ数年注目されるようになった。
Wi-Fiへのアクセス自体は安価である一方で、このような市内ネットワークを構築し運用するにはまだコストがかかる。サンフランシスコでは、メンテナンスとアップグレードを含め今後10年間に1500万ドルが費やされる予定だという。
ワイヤレスブロードバンド市場を専門に調査するウェブサイトMuniWireless.comによると、独自のネットワークを構築するネットワークプロバイダーおよび地方自治体は、市内ネットワークを構築し運用するのに2006年だけで2億3500万ドルを費やすことが予測されるという。そして同ウェブサイトの最新報告によると、2010年までにはこれらのネットワークに30億ドル以上が投じられることになるという。
かなりの注目を浴びてはいるものの、Wi-Fiネットワークが実際に稼動しているのは主要都市のうちのほんの一握りだけである。例えばサンフランシスコは、ネットワーク構築に向けて選定されたEarthLinkとGoogleとの契約に関して未だ交渉中である。ニューヨーク市にいたっては、まだオプションを検討している段階である。
この状況に目をつけたのがFONである。皮肉にもGoogleの支援を受けているFONは、同社のソリューションは市や市民がほとんどコストを負担することなく導入できると主張している。
FONの米国事業を統括するJoanna Rees氏は、「サンフランシスコなどの都市は、新しいWi-Fiネットワークが構築されるのを待つ必要はない」と述べた。「世界中には4億ものWi-Fi接続が存在する。そのすべてがFONコミュニティに加わり、Wi-Fiを共有すれば、今日の世界をくまなく網羅することができる。そうすれば自治体ごとにWi-Fiネットワークを構築する必要はなくなる」(Rees氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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