Googleの最高経営責任者(CEO)のEric Schmidt氏は現地時間10月3日、英国のボーンマスで開催された保守党の年次大会で基調演説を行い、その中でインターネットの魅力について語った。
Schmidt氏は、党の活動家や議員らに対し、政治家は、誰もがインターネット上で自由にデータにアクセスできる環境の創設に貢献する義務があると語った。また同氏は、ウェブの急速な成長が一部の政治家の悩みの種になっていることを認めた。
Schmidt氏は、「インターネットは知識の民主化を促している」と述べ、さらに次のように続けた。「しかし、インターネットは発展途上の段階にある。今、インターネットは初めて力を試されている。各国政府もインターネットへの対処法を必死に模索しており、また、プライバシー問題など、多くの懸念を抱えている」
規制は魅力的な手段だが、規制ではインターネット上で溢れる情報の波を抑えることはできないだろう、とSchmidt氏は指摘した。
「インターネットの波には逆らうな、というのが私の助言だ。再三述べている通り、人々はインターネットが拡散的なものであることを忘れ、インターネットによって全ての情報が入手可能になると必死に情報を隠そうとする」とSchmidt氏は警告した。
またSchmidt氏は、Googleはある人物の命の恩人になっていたと語った。「その人物が自分の病状をGoogleに入力すると、『あなたは心臓病です。今すぐ救急サービスに電話してください』とのメッセージが返ってきた。このようなことがあるため、私は従業員にGoogleは高速であることが重要だと話している。スピードが人の命に関わることもあるからだ」(同氏)
さらにSchmidt氏は、「インターネットは、抑圧的な社会における革命的な力となり得るし、私もそうなることを願っている」と強い口調で語った。2006年初めに、Googleは中国人ユーザーに提供している検索結果を検閲しているとして多方面から非難された。その一方で同社は、米国当局への検索データの提出も拒否している。
しかし、聴衆が最も沸いたのは、Schmidt氏がブログについての冗談を述べた時だった。「大半のブログの読者はまさに1人だけだ。その1人とは、ブロガー本人である」
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
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