ドメイン登録者が強い関心を寄せてはいるものの、モバイルインターネットをユーザーに浸透させるカギは「.mobi」ドメイン拡張子ではない、というのがアナリストらの考えだ。
米国時間9月26日に一般向け登録を開始したこのトップレベルドメイン.mobiは、モバイルユーザーが、画面の小さいモバイル端末でもうまく表示できるウェブサイトを検索することを支援するよう意図して作成された。だが、この取り組みは、PCと携帯電話でのウェブの使用感における格差を解消するのに適切なアプローチではないと、専門家は述べている。
通信コンサルティング会社AnalysysのシニアアナリストWindsor Holden氏は27日、「PR目的に過ぎない。コンテンツのアクセスは少しも簡単にならない。実際には、キー操作が増えるだけだ」と語っている。
Holden氏によると、.mobiドメインでサイトを構築することがモバイル市場参入における「最重要事項ではない」という。同氏は、固定および移動体通信の収束化傾向を考えると、サイトデザイナーは「(自分たちの)コンテンツがあらゆるデバイスからアクセスされるようになることを認識する必要がある」と示唆する。
大和証券のアナリストJames Enck氏も同様の見解を示している。
同氏は、「本当に重要なのは、ウェブのデザインであってドメインではない」と語っている。Enck氏はモバイル端末に合わせて自動的に画面サイズを調節するGoogleの「Gmail」の例に言及し、同サイトの表示手法が「理想」だとしている。
同氏はさらに、「このために特別なドメインを用意する必要ない」とし、.mobiの取り組みは「コントロール不可能なものをコントロールしようというモバイル業界の新たな試みで、ある種の囲い込み戦略と同様だ」と示唆している。
しかし、レジストラ側は楽天的で、事前登録申請期間全体を通じてこのドメイン名に対する「関心が非常に高い」としている。レジストラであるFasthostsの関係者は27日、「一般向け登録を開始して以来、.mobiは最も人気の高いドメイン名で、『.co.uk』『.com』『.net』を超えている」と語っている。
Fasthostsの関係者は、初期の登録は主に「携帯電話事業者や通信事業者によるものと、商標保護の目的が多い」とし、「名前を確保する動きも確かに多いが、モバイル専門サイトが申請するチャンスもかなりある」と加えた。
HostwayのNeil Barton氏も、「事前登録申請期間の終了が迫った数週間前と、運用が始まったここ数日は、.mobiに対する関心が非常に高まっている」と述べている。
Holden氏は、今回の登録者の多くは「チャンスを逃したくないために、試しに登録してみたのではないか」と推測している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス