衛星写真を使ったウェブベースの地図アプリケーション「Google Earth」のアップデート版が米国時間9月12日夜にリリースされ、ベーシック版にはタイムスケール機能が追加される。
スライダーを使って時間軸をスクロールするこの機能は、これまでプレミアム版である「Google Earth Pro」のユーザーにしか提供されていなかった。また、今回はインターフェースの簡略化も行われている。
Google Earthの最高技術責任者(CTO)Michael Jones氏は12日、Association for Geographic Informationがロンドンで開催中のイベント「AGI2006」において同機能のデモを行った。Jones氏は、ジンベイザメをGPSで追跡した科学者が、このアプリケーションを使ってサメの移動経路をマッピングした様子を解説した。
Googleによると、業務用途としては、交通インフラの動きをマッピングする車両追跡などがあるという。Jones氏はまた、地球の軌道を周回するすべての静止衛星を最新版のGoogle Earthでトラッキングする様子も紹介した。
世界中で3万人以上の開発者がGoogle Earth APIを使っており、Google Earthはこれまでに1億回ダウンロードされていると、Googleでは述べている。
Jones氏は、Google Earthに古い写真を使う傾向が多々あっても、状況説明ツールというのが主な基本用途であるため、タイムスケール機能の有用性が低下することはない、と説明する。
同氏は12日、「(この機能によって地図の)上に重ねたデータをスクロールで移動できるようになる。これは、理解のために必要な状況説明を行っているだけに過ぎない」と述べている。
Google Earthは、先週末にデータベースが大幅にアップデートされ、オランダや日本などの地域には15cm単位の解像度が初めて導入された。
同イベントには、MicrosoftからもMSN Virtual Earth担当ディレクターのVincent Tao氏が参加した。「MSN Virtual Earth」は、Google Earthと競合するMicrosoftのアプリケーション。Tao氏は、特定の地域について斜めからの「鳥観表示」が可能になった点など、Virtual Earthに最近加わった機能改善を強調した。この機能は英国内の特定地域で今週から可能になっていると、同氏は加えた。
斜めからの視点だと、真上からの視点よりも建造物や遺跡などをかなり詳細に分かりやすく見ることができる。Googleのアプリケーションでは主に、ユーザーが作成した建造物モデルや地勢モデルで斜め表示が可能になっている。
Microsoftはさらに、仮想の車を運転して米国の都市をドライブできるVirtual Earthのもう1つの新機能についてもデモを行った。コンセプトカーをシミュレートするための話し合いを念頭に、既に一部の自動車メーカーからMicrosoftに問い合わせもあった、とTao氏は明かしている。
Tao氏は「(ユーザーが車で通りすぎるのを目にした店舗の)オーナーなら、なんとしてもここにロゴを表示させたいと思うはずだ」とし、この機能を追加したことで多くの広告機会が誕生したことを加えた。
MSN Virtual Earthは、「Outlook」や「Windows Live Messenger」への統合が進んでいて、ユーザーはもうすぐアプリケーションに間取り図まで重ねて表示できるようになると、Tao氏は語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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