イーブック イニシアティブ ジャパンは9月19日より、京セラコミュニケーションシステム、およびシンガポール子会社のKYOCERA COMMUNICATION ASIA PACIFICと協業し、海外向けに漫画を電子データで配信する事業を開始する。中国語版より開始し、英語版やそのほかの言語にも順次対応する。
日本の漫画はアジアを中心に広まっているが、海賊版が多く出回っており、正規の書籍販売はまだ少ない。デジタルデータで配信することで、流通コストを大きく抑えるとともに、独自の著作権保護技術を使うことで違法コピーを防ぐ考えだ。
第一弾として、シンガポールのポータルサイト「eBookJapanASIA」で30タイトル、計100冊の漫画をダウンロード形式で販売する。作品はちばてつや作「あした天気になあれ」、里中満智子作「海のオーロラ」、池田理代子作「ベルサイユのばら」などで、価格は1冊あたり5.8〜8.8シンガポールドル(邦貨換算で430〜653円)。年内にはラインアップを300冊にまで広げる考えだ。
イーブック イニシアティブ ジャパンが独自に開発した著作権保護技術を使って配信し、閲覧には「BookReader」という専用ビューアーが必要となる。購入した書籍データを別のパソコンにコピーしても閲覧できないという。
サービス提供地域をシンガポールにしたことについて、KYOCERA COMMUNICATION ASIA PACIFIC取締役の河之口達也氏は「シンガポールは国内全土にWi-Fiネットワークが張り巡らされており、最先端のIT社会だ」と環境面での優位性をあげた。また、すでにシンガポールで漫画が人気を集めていること、シンガポールの出版社が販売している漫画が1冊5.8シンガポールドル以上であることから、事業として十分成り立つ見通しだという。
今後は台湾や香港、欧米にもサービスを広げていく考え。売上目標は、サービス開始から2年後の2008年9月末で2億円としている。
今回の取り組みについて、自身の漫画をeBookJapanASIAで販売する里中満智子氏は、「インターネットが普及し始めたころから、インターネットを使って世界の隅々まで即座に、自分の描いた漫画を送れないかと思っていた。日本人の感性を、漫画によって特に東アジアの若い人たちが理解する例が出てきている。(今回のサービスによって)世界の人々に日本の文化であり良心とも言える作品群を見て欲しい」と期待を寄せた。
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