マサチューセッツ州ケンブリッジ発--著名な法学者、Lawrence Lessig氏は米国時間8月4日、コンテンツを流通させ「自由な文化」を推進する方法のひとつとして、コンテンツライセンスに互換性を持たせる活動の開始を呼びかけた。
Lessig氏は、当地で開催されているカンファレンス「Wikimedia 2006」で講演を行い、オンライン百科事典Wikipediaに貢献している人々を賞賛した。
Lessig氏は、情報の自由な流通、特にデジタル情報の流通は、自由な文化をもたらし、より多くの人々の参加を促すものであると述べた。
Lessig氏は、Wikipediaは映画や書籍のように人々がコンテンツを「消費」するだけでなく、文化的な作品に貢献することも出来る「Read-Write文化」のもっとも目覚しい例であると語った。彼は、Read-Write文化の例として、本来とは異なる音楽で「リミックス」された日本のアニメ動画を披露した。
Wikipediaは誰でもページを編集することができるオンライン百科事典だ。Wikipediaの共同設立者であるJimmy Wales氏によれば、Wikipediaの根底にある哲学的指針は、すべての人々ができるだけ多くの情報にアクセスできるようにすることだという。
「あなた方は世界の誰よりもRead-Write文化の考え方を広めた。あなた方はいかに自由が成功を収めるかを示した。これまでに作り上げた資産を使って、さらに先に進んで欲しい」とLessig氏は語った。
Lessig氏は、オンラインコンテンツの「離れ小島」を避けるため、ライセンス同士が連携可能になるよう提案した。それにより、人々がコンテンツを再配布し、コンテンツを派生著作物として利用できるようになるという。
同氏はまた、人々が創造的な作品を再配布し再利用できるような、Creative Commonsライセンスと互換性のあるライセンスがあると述べた。Creative Commonsは、同氏も策定に携わったライセンスである。
Lessig氏は、オープンソースソフトウェア組織に対し無料で法的なアドバイスする役目をもったSoftware Freedom Law Centerが、互換性のあるコンテンツライセンスを認定するべきだという提案をした。
Free Software Foundationの相談役Eben Moglen氏による4日の発言によれば、これまでのところ、Creative CommonsライセンスとGNU Free Documentation Licenseの橋渡しができるような合意には達していないという。Moglen氏はこの2つのライセンスの橋渡しが出来れば、より広いコンテンツライセンスの実現に向けての一歩となるだろうと述べた。
Lessig氏によると、この構想によって、コンテンツクリエイターが派生著作物に互換性のあるライセンスを付与することで、そのコンテンツが自由に使用することができるよう指定できる。最終的にはコンテンツの流通を促進し、デジタル著作権管理とは正面から対立することになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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